ギャン理論について

ギャン・メソッド W.D.Gann(1878年~1955年)は米国の投資家で、市場予測の手法を数々開発した方です。

ギャンの28のルールを私の経験も踏まえてご紹介します。

第1条 資金管理と損失限度
資金配分を厳密にすること。売買に用いる総資金を10等分し、1回の売買における損失限度は総資金の10分の1にすること。

利益を出すことより、損失を最小限に食い止めることが一番重要になってきます。

例えば9勝1敗で、その1敗のために9勝分の利益が一気に吹っ飛ぶこともあるので、まず損失を限定させて、利益に望むことです。

第2条 ストップロスは必須
ストップロスを必ずおくこと。損失限度を計算した上、ポジションを持つと同時に行うこと。

売買するときは、ストップロスは必ず置いてください。チャートに張り付いている場合はともかく、オーバーナイトなどで翌日に持ち越す場合、大きな変動で、大きな損失になることがあります。

第3条 オーバーポジション厳禁
過剰な売買を決してしないこと。資金配分に従ったポジション量を厳守すること。

資金配分を考えて、第1条では資金10分1の取引で行うこと。
長期トレードになれば、資金の3%の損失としています。

第4条 トレーリングストップ
利益を確保した後は損失とならないように、ストップロスを変更すること。

利益が乗ってきたときは、トレーリングストップは有効です。

あまり接近したしたストップは、すぐにストップにひっかかり決算されてしまうので

適切なストップに置くことです。

第5条 トレンドフォロー
トレンドに逆らわないこと。トレンドに確信が持てないときは売買しないこと。

トレンドフォローは基本中の基本、そろそろ下がるだろうと、逆張りで入って痛い目に合います。

第6条 迷いは禁物
迷った時は手仕舞うこと。迷った時はポジションを持たないこと。

迷いは誰でもあります。迷いがある場合トレードしない、手仕舞うことです。

第7条 流動性とボラティリティ
活発に売買され、値動きのある市場で売買を行うこと。

値動きが激しい時間帯は、夜9時を過ぎてからですが、大きく変動することがあるので、損失も大きく膨らむことがあります。

第8条 リスク分散
リスクを分散し、資金の集中を避けること。

例えば同じクロス円でリスク分散してはいけません。異なった通貨のドルストレートとか、円以外の通貨で行います。

第9条 指値注文の禁止
指値をしてはならない。売買の価格を決めず、成り行きで売買すること。

スイングトレードの場合、折り返しを確認して注文を出すのですが一般的ですが、指値注文は、折り返しを確認していないので、更に下げてくる場合もあるので注意が必要です。

第10条 余剰資金
実現利益は別勘定として保有すること。

余剰資金とは、売買に必要な金額と必要証拠金以外の資金のことを言います。

第11条 小利益売買の禁止
わずかな利益狙いの売買(スキャルピング)をしないこと。

1分足、5分足などの比較的期間の小さな売買はしないことです。

素人が手を出すとやられます。
利益幅が小さいので、一度の負けで取り戻すのに時間がかかる場合があります。

1pipsを取りにいくのに、ストップを100pipsに置くとか、わずかな利益を狙いにいって大きく損失を出すことがあるので、注意が必要です。

第14条 待つことの重要性
我慢できずに手仕舞いしたり、待ちきれずにポジションを持たないこと。

私もしてしまうことで、我慢できずに手仕舞うことがあります。

その後更に急上昇/急落する場合もあります。

第15条 利小損大の禁止
小さな儲けと大きな損は避けること。

損小利大の原則から外れる行為はしてはいけません。
初心者の方は1分足、5分足でやって、コツコツドカーンを繰り返します。

第16条 ストップロスキャンセルの禁止
ストップロスは決してキャンセルしてはならない。

買ってから下がり続け、そろそろ上がるだろうと、せっかく設定したストップロスをキャンセルしたり、ストップロスを更に引き下げる行為は絶対してはいけません。

第17条 頻繁売買の禁止
過剰に頻繁な売買は避けること。

ポジポジ病(常にポジションを持っていないと気がすまない)の人は、特に注意が必要です。

第18条 ショート(売り)の活用
ロング(買い)だけではなくショート(売り)も活用すること。

よくロング(買い)は得意だけど、ショート(売り)は苦手という方も多いです。
それは下落は急激な変化があるので、急激に下げたと思うと急に戻すこともあります。

第19条 値頃感の禁止
決して値頃感で売買してはならない。

そろそろ上がるだろう、下がるだろうで判断し売買してはいけません。

第20条 ピラミッディングのタイミング
ピラミッディング(買い増し、売り増し)のタイミングに注意すること。レジスタンス・サポートをブレークしてから買い増し、売り増しをすること。

トレンドが出ているときの、買い増しを行うときに、売買タイミングをしっかりして行うことです。

第21条 ピラミッディングの選択
買い増しするときは強い上昇トレンドを示すもの、売り増しするときは強い下降トレンドを示すものを選ぶこと。

強いトレンドは、押し目の小さい高値ブレイクで狙うことです。

第22条 ヘッジの禁止
同業種他銘柄、あるいは他限月の反対売買等のヘッジ行為はしてはならない。

ドル/円で取引していて、ポンド/円などのクロス円でヘッジしても、ヘッジになっていません。クロス円以外の通貨ペアでヘッジを行うべきです。

第23条 理由とルールに基づいた売買
明確な理由なしにポジションを変えないこと。明確な理由のもと、明確なルールに従って売買を行うこと。

売買ルールを明確にして、トレードに望むことです。ルールが決まっていれば楽ですね。あまり相場感を考える必要がなくなります。

第24条 利益確保後の売買の禁止
十分な利益を確保した後は、意味のない頻繁な売買を行わないこと。

これは、ポジポジ病(ポジションを常に持っていないと気がすまない)の人が対象となります。

第25条 天底に関する憶測の禁止
相場の天底に関して勝手な憶測を行わないこと。

天井圏、底値圏において、底値だから買いとか、天井だから売りだとか、憶測で売買しないということです。

第26条 不確かな助言による売買の禁止
自分より優れた人の場合を除き、他人の助言に基づいた売買は行わないこと。

ある有名なトレーダーが言ったから買いだとか、売りだとかしてはいけないということです。
それによる損失が被ってもだれも保証してくれません。自分の判断で売買することです。

人の意見はあくまで参考にして、ご自分の判断で取引してください。

第27条 損切り後の資金量縮小
損切りを行ったら、取引量を減らすこと。決して増やしてはならない。

よく損切りにあったら、損失をカバーしようと倍の枚数で取引する人がいますが、むしろ損失を拡大しないように、取引枚数を減らすか、その日の取引は行わない方が良いでしょう。

第28条 不適切なポジションメークと手仕舞いの禁止

不適切なポジションメークと手仕舞いを避けること。

手仕舞いは非常に迷います。
憶測で判断して手仕舞ってしまった後に、急上昇したなどの経験はありませんか。上がってから再度買って、急落してしまったなどです。

関連引用:外国為替取引入門「ギャンの価値ある28のルール」より

以上が、「ギャン理論」になります。今のトレードに非常に役に立つ内容ですね。

 

【売買】資金管理について(1)

FXでの売買において、資金管理は非常に重要なものとなります。

この資金管理ができていないと、なかなか利益を確保することは困難となります。。

1.1回あたりの取引金額は証拠金の10分1
ギャン理論では、1回の取引に必要な取引金額は、証拠金の10分1とすることにしています。

必要証拠金が100万円口座にある場合、10万円の取引金額となります。

ギャン理論』とは、20世紀初頭アメリカの伝説の相場師であるウィリアム・D・ギャンの相場哲学を体系的に記述したもので、現在でも多くの投資家がバイブルとして利用している相場理論です。投資哲学から生み出した28のルールがあります。

2.取引ポジションとストップから取引数量と取引金額を算出

(図:取引)

skn01_USDJPYDaily(1)

通貨ペア:ドル円
証拠金=100万円
ポジション=101.928円
ストップ=101.053円
ポジションとストップとの差=87.3pips

【取引数量】=【証拠金】×10%÷【ストップロスとの差】

①1回の取引での許容金額は、【証拠金】に対して、10%ルールを適用した場合
100万円×0.10=10万円が1回の取引で行える金額

②取引数量を計算

許容金額①÷ストップロスとの差
10万円÷0.873≒114,000通貨

従って、114,000通貨(1ロット)の取引数量で取引が可能ということになります。

1回の取引の許容金額を3%にした場合、
100万円×0.03=3万通貨までとし、
3万通貨÷0.873≒34,000通貨となります。

ギャン理論では証拠金の1回の取引に必要な枚数を10分1としていますが、ここでは1回の取引枚数を『3%ルール』として設定しています。