【2018.06.10】先週06/04~06/08のFX値動き
- 2018/06/10
- 為替ニュース
先週は、先週末のG7サミットと来週FOMC、米朝首脳会談を前に、イベントの谷間となりました。動きづらい展開となりました。
ドルが動きづらい展開の中、ユーロはイタリア政局が解消されたことを受けて、ユーロが対ドルで上昇する場面もありました。
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さて先週一週間の動きをみていきましょう。
【2018.06.04】FX市場
ドルほぼ同水準!材料難から小動き
前週ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の109円半ば。
日経平均が300円超の上昇となる中、一時109円後半まで買われる場面もあったが、勢いは続かなかった。午後は材料難から小動きが続いた。
終盤のニューヨーク外為市場では、米中貿易摩擦を巡る懸念が再燃する中、主要6通貨に対するドル指数が2週間ぶり安値を更新した。
一方、イタリア政局不安が解消されたことを受け、ユーロは上昇した。
TDセキュリティーズのシニア為替ストラテジスト、メイゼン・イッサ氏は「欧州の政治劇が収束する中、ドル指数は95近辺でピークとなる公算が大きい」と述べた。
さらに、エスカレートする貿易摩擦問題が今後数週間、ドルへの圧迫要因になるとの見通しを示した。
中国は週末、米国が関税やその他の貿易制裁を導入した場合、貿易や経済を巡る両国の合意は全て効力を失うとする声明を発表した。
終盤の取引でドル指数は0.2%低下の94.046。一時、2週間ぶりの水準となる93.664まで低下した。
BKアセット・マネジメントの為替戦略マネジング・ディレクター、キャシー・リエン氏は、ドルは勢いを失っているように見えるものの、利上げが見込まれる今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に上げに転じる可能性があるとの認識を示す。
「利上げ見通しを変更させるような状況が起こらなければ、投資家はFOMCまでドルの保有を続けるだろう」と述べた。
<米・経済指標>
〇(米) 4月製造業受注指数 (前月比)
+1.6% → -0.8%↓
【2018.06.05】FX市場
ドルやや後退!米中貿易摩擦が再燃する中で
前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の109円後半。
午後は短期筋の仕掛け的なドル買い/円売りで一瞬110円台に乗せたものの、その後は伸び悩み、朝方の水準まで押し戻された。
ニューヨーク外為市場では、イタリアのコンテ新首相が政府はユーロ圏からの離脱を検討したことはないと言明したことを受け、ユーロが上昇した。これに伴い、これまで上向いていたドルは下落に転じた。
コンテ首相は所信表明演説で、新興組織「五つ星運動」の公約である最低所得保障(ユニバーサル・ベーシックインカム、UBI)や右派政党「同盟」の公約である不法移民の流入阻止が優先課題になると表明。
ただその後議会で、新政権はユーロ離脱は考えていないと表明した。
ブルームバーグが関係筋の話として、欧州中央銀行(ECB)が今月の理事会で資産買い入れ策を終了させる時期を決定する公算が大きいと報じたこともユーロの支援要因となった。
エシナー氏はこれについて、「ユーロ圏の最新の指標を受け、ECBが近い将来に政策を変更するとの観測は後退していたが、(ブルームバーグの)報道は、ECBがユーロ圏の一部の軟調な経済指標とイタリア政局を巡る問題を重要視せず、むしろ金融政策の段階的な正常化に重点を置いている可能性があることを示している」と述べた。
メキシコはこの日、米国の鉄鋼・アルミニウム輸入関税への対抗措置として、米国産の鉄鋼のほか、豚肉やウィスキーなどを含む広範な品目に関税をかけると発表。
これを受け、メキシコペソは対ドルで20.3762ペソと、約1年ぶり安値を更新した。
カナダドルも対ドルで下落している。
<米・経済指標>
〇(米) 5月ISM非製造業景況指数
56.8 → 58.6↑
【2018.06.06】FX市場
ドル高110円台!イタリアでコンテ新内閣が正式に発足
前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の110円前半。
109円後半でもみあったあと、夕刻に入って110円台に乗せた。ただ、来週に主要イベントを控え、投機筋も新たなポジションを手がけにくいという。
ニューヨーク外為市場ではユーロが上昇し、対ドルで約2週間ぶり高値を更新。
欧州中央銀行(ECB)が年内に債券買い入れ策を終了する可能性があることを示唆する当局者の発言が材料視された。
市場参加者の間では、イタリア政局混迷による不透明性を踏まえ、ECBが14日開催のECB理事会で慎重な構えを維持するとの見方が大勢。
そうした中、プラート専務理事はこの日、ECBはインフレが目標に向けて上昇していくことへの自信を深めており、来週の理事会で債券買い入れ策を年内に終了させるかどうか討議すると述べた。
イタリアではこの日、コンテ新内閣が正式に発足。
コンテ首相は前日の所信表明演説で、国民に急進的な変革をもたらすと約束。さらに、その後の討論ではユーロ離脱について「一度も考えたことがない」と言明した。
<米・経済指標>
〇(米) 4月貿易収支
-490.0億USD → -462.0億USD↑
〇(米) 1-3月期非農業部門労働生産性・確報 (前期比年率)
+0.7% → +0.4%↓
〇(米) 1-3月期単位労働コスト・確報 (前期比年率)
+2.7% → +2.9%↑
【2018.06.07】FX市場
ドル安/円高!ユーロ/ドルは堅調地合いが続く
前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の109円後半。
海外市場で買われたユーロ/ドルは堅調地合いが続き、5月22日以来2週間ぶり に1.18ドル台へ乗せた。
ニューヨーク外為市場ではユーロが対ドルで3週間ぶりの高値を付けた。
欧州中央銀行(ECB)が来週の理事会で債券買い入れ策の年内終了を示す可能性があるとの観測が出ていることが背景。
ECBのプラート専務理事は6日、ECBはインフレが目標に向けて上昇していくことへの自信を深めており、来週の理事会で債券買い入れ策を年内に終了させるかどうか討議すると発言。
このほかECBの債券買い入れ策については、ワイトマン独連銀総裁が年末までに終了されるとの予想は現実的であると指摘、クノット・オランダ中銀総裁も量的緩和策を継続する理由はないとの見解を示している。
こうした中、ユーロ/ドルはこの日の取引で1.1840ドルと、5月17日以来の高値を更新。終盤の取引では0.3%高の1.1812ドルとなっている。
一部市場関係者は、ECB当局者の一連の発言は、来週14日の理事会でECBが債券買い入れ策を巡る決定を行うことを示唆しているとの見方を示している。
市場では、カナダのシャルルボアで8日から開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、貿易を巡り強硬姿勢を崩さない構えを示しているトランプ米大統領が他の首脳と衝突するのではないかとの懸念が出ている。
<米・経済指標>
〇(米) 新規失業保険申請件数
22.1万件 → 22.2万件↑
〇(米) 4月消費者信用残高
+116.22億USD → +92.62億USD↓
【2018.06.08】FX市場
ドルやや下落!来週FRB会合を前に
前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の109円前半。
週末から来週にかけて重要イベントが相次ぎ、身動きがとりづらく、午後は日経平均などを横目に小動きとなった。
夕刻に入ると、ドイツの4月鉱工業生産が予想外に低下し、ユーロ/円が売られたほか、円が全般に強い動きとなった。
ニューヨーク外為市場では、カナダのシャルルボワでこの日から2日間の日程で始まった主要7カ国首脳会議(G7サミット)の討議が難航するのではないかとの懸念から、安全通貨としての円に買いが入った。
ドルはこの日は5日ぶりに上昇したものの、ドル指数の週間下落率は3月下旬以来の大きさとなった。
今回のG7首脳会議は、トランプ米大統領が掲げる「米国第一」主義により世界的な貿易戦争のリスクなどが高まる中、共同声明が採択されないまま閉幕する公算が大きいことが当局者の話で明らかになっている。
キャピタルエコノミクスのシニア米国首席エコノミスト、マイケル・ピアース氏は「今回のG7首脳会議で、通商政策を巡る米国の孤立が衆目を集めることになる。
米国がこうして孤立していることは、北米自由貿易協定(NAFTA)撤廃や、中国との全面的な
貿易戦争勃発など最悪のシナリオに対するリスクの高まりにつながる」としている。
来週は、米連邦準備理事会(FRB)が12─13日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決定するとの予想が大勢。
市場ではFRBの今後の利上げペースを巡る手掛かりに注目が集まっている。
このほか、欧州中央銀行(ECB)が14日の理事会で債券買い入れ策の終了について何らかの示唆を行うのではないかとの観測が高まっている。
ただINGは、イタリアの政局情勢や国際的な通商問題を巡る緊張の高まりなどを受け、ECBは今回の理事会では行動を起こさない可能性があると予想。
市場関係者はFRBとECBの動静などを背景に、外為市場のボラティリティーが高まる可能性があるとの見方を示している。
<米・経済指標>
〇(米) 4月卸売売上高 (前月比)
+0.3% → +0.8%↑
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【先週の主な動き】
先週は、欧州中央銀行(ECB)やイタリア中心の話題が多かった一週間となりました。
来週12-13日に行われる、米連邦準備理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決定するかどうかが注目されます。
また、来週12日に行われる米朝首脳会談も、話題となりそうです。
そん中で、先週はイベントの谷間ということもあり、様子見ムードが高かった一週間だったと思います。
欧州中央銀行(ECB)は日本と同様に、債券買い入れを行い金融緩和政策を行っています。
そのECBが年内に買い入れ策を終了する可能性があることを示唆する発言も材料視され、ユーロ高となっています。
またイタリアが政局不安でしたが、6日にコンテ新内閣が発足し、所信表明演説で「ユーロ離脱を一度も考えたことがない」と言明したことを受けて、さらにユーロ買いとなっています。
しかし、ECBも日本同様に金融緩和がうまくいっていないようです。そんな中で金融緩和を解除するというので、インフレ目標を達成できないまま終わってしまう可能性もあります。
来週FRBが利上げする可能性がある6月のFOMC会合に注目が集まっています。
米朝首脳会談も12日に行われるため、セットで考えていかなくてはならない状況となっています。
米朝首脳会談の内容が思わしくない場合、FOMCが利上げをしてもドル高にはならない可能性も出てきます。
来週はFOMCと米朝首脳会談に注目していきましょう。
さて、日足チャートをみると、
先週はイベントの材料難もあり、110円を超えたあたりから、徐々に下落相場となってきています。直近高値を超えることができず、失速する流れとなっています。
このまま下落していけば、チャートの形はスリートップ(三尊底天井)となり、さらに下げが意識されます。
来週は大きなイベントが控えているので、慎重にトレードしていきましょう。
【来週の主な経済指標発表】
・6/12
21:30 (米) 5月消費者物価指数 (前月比)
21:30 (米) 5月消費者物価指数 (コア:前月比)
21:30 (米) 5月消費者物価指数 (前年比)
21:30 (米) 5月消費者物価指数 (コア:前年比)
・6/13
21:30 (米) 5月生産者物価指数 (前月比)
21:30 (米) 5月生産者物価指数 (コア:前月比)
21:30 (米) 5月生産者物価指数 (前年比)
21:30 (米) 5月生産者物価指数 (コア:前年比)
27:00 (米) FOMC政策金利発表
・6/14
21:30 (米) 新規失業保険申請件数
21:30 (米) 5月小売売上高 (前月比)
21:30 (米) 5月小売売上高 (前月比:除自動車)
21:30 (米) 5月輸入物価指数 (前月比)
23:00 (米) 4月企業在庫 (前月比)
・6/15
21:30 (米) 6月NY連銀製造業景況指数
22:15 (米) 5月鉱工業生産 (前月比)
22:15 (米) 5月設備稼働率
23:00 (米) 6月ミシガン大消費者信頼感指数・速報
29:00 (米) 4月対米証券投資
【ドル円の平均ボラティリティ(日足)】
06/04~06/08
・・・58pips
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