【2016.09.11】先週09/05~09/09のFX値動き

先週は、日銀・黒田総裁の発表があり、追加緩和に期待がありました。今後のドル/円の動きに注目された一週間となりました。

さて先週一週間の動きをみていきましょう。


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【2016.09.05】FX市場

黒田総裁は追加緩和用意がある?しかし手掛かり示さず!

ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の103円前半。

ドルは朝方104.14円の高値を付けた後、軟調気味に推移し、正午前に伝わった黒田日銀総裁のコメントを挟んで103円半ばに下落。
その後、ロンドン勢の参加に伴い103円前半まで下落した。

終盤の欧州外為市場では、ドルが対円で下落した。

日銀の黒田東彦総裁が5日の講演で、今月の追加緩和の可能性を明確に示唆しなかったことが円を押し上げた。

ドルは前週末2日、早期の米利上げ観測を背景に5週間ぶり高値に上昇。

レーバーデーで米金融市場が休場のため商いが限られる中、ドルは過去6営業日に対円で4%超上昇していることもあり、この日は一服商状となった。

ドル/円JPY=は一時、0.8%安の103.15円まで下げた。

黒田総裁は追加緩和の用意があるとの姿勢を示しながらも、一部の市場参加者が期待していたような積極的な緩和策を9月会合で打ち出すとの明確な手掛かりは示さなかった。

三菱東京UFJ銀行の為替ストラテジスト、デレク・ハルペニー氏は「黒田総裁がマイナス金利の悪影響について講演で触れたことで、追加利下げの思惑が後退し、円を支援した」と話す。

アジア通貨市場では、大半の新興国通貨が上昇。

2日に発表された8月の米雇用統計の内容がさえなかったことから、米連邦準備理事会(FRB)が今月にも利上げに踏み切るとの観測が後退し、米ドル売りが出た。

【2016.09.06】FX市場

米・ISM非製造業景況指数が低水準でドル/円急落!

ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の103円前半。

午前に一部で報じられた浜田宏一内閣官房参与の発言が尾を引き、午後のドルは方向感なく推移した。

海外時間にかけては堅調地合いをキープするとの声も出ている。

<みずほ総合研究所>
日銀のみで2%達成困難、平時に追加緩和は不要=門間・前日銀理事前日銀理事でみずほ総合研究所・エグゼクティブエコノミストの門間一夫氏は6日、ロイターのインタビューで、政府の経済対策で日本経済は改善しており、9月の金融政策決定会合において追加緩和の必要はないと述べた。

また、過去3年半の大規模な金融緩和により、日銀単独で2%の物価目標を達成するのは無理であることが証明されたと表明。追加緩和は、急激な市場ショックなどの局面でこそ効果を発揮すると強調した。

門間氏は、前回7月の金融政策決定会合が日銀の「転換点」だったと指摘。ETF(上場投資信託)の買い入れ増額による追加緩和を決めたにもかかわらず、2017年度中の物価目標達成に「不確実性が大きい」と記載した点に着目。黒田日銀が初めて金融政策の限界を示唆したと解釈している。

また、黒田東彦総裁が5日に都内で行った講演に関して「マイナス金利の副作用について、初めて明確に指摘した」とし、人々の物価観を引き上げるためには構造改革により潜在成長率の引き上げが必要であると強調した点に触れ、「日銀のみで2%を実現するのが難しいとの判断を示した」と解説した。

日銀は1)国債などの「量」、2)ETFなどの「質」、3)マイナス金利などの「金利」──の3次元で緩和拡大に限界がないと繰り返してきたが、黒田総裁は5日の講演で、どの政策手段も効果と副作用を比べて判断すると初めて言及したと指摘。その点を高く評価した。

さらに門間氏は「年間80兆円の国債買い入れは持続性に疑念がもたれており、100兆円などへの拡大は無意味」と言明。

アジア通貨市場では、大半の新興国通貨が下落。前日の上昇を受けて、この日は利食い売りが出ている。

タイバーツ は0.4%安。債券市場からの資金流出を受けて売られ、8月10日以来約1カ月ぶり安値を付けた。

国内銀行の一部が利益確定のバーツ売りを出したほか、輸入業者は決済がらみのドル買いを入れた。ただ、ボラティリティーが高いことから、持ち高を大幅に積み上げようとする向きはみられない。

<米・経済指標>
○米・ISM非製造業景況指数
55.5 → 51.4↓

【2016.09.07】FX市場

円がドルに対して上昇、約1週間ぶり高値101円半ば!

ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の101円半ば。

米経済指標の予想外に弱い結果を受け、朝方に投機筋のドルロングの投げが強まって急落したが、目先のドル売りは一巡したとみられ、午後は小動きが続いた。

7日午前のニューヨーク外為市場は、円JPY=がドルに対して上昇、一時1ドル=101.42円と、約1週間ぶり高値をつけた。

日銀金融政策決定会合の開催を20━21日に控え、追加緩和の是非をめぐりメンバーの意見が割れていると伝えた産経新聞の報道を受け、円が買われている。

フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場が織り込む、今月の米利上げ確率が15%にとどまり、12月までの利上げも5割となり、ドルを圧迫しているとの指摘も聞かれた。

【2016.09.08】FX市場

ドル買い戻しの流れで102円!その後101円へと失速!

ニューヨーク市場午後5時時点に比べて小幅ドル安/円高の101円半ば。

朝方はドル買い戻しの流れで102円に接近する場面があったが、その後に101円半ばへと失速した。午後には日銀の中曽宏副総裁の講演中に、やや上下動があったものの、講演後は再び手がかりを欠いた。

欧州中央銀行(ECB)が金利を据え置き、資産買い入れプログラムの拡大方針を明言しなかったことを受け、ユーロは対ドル で約2週間ぶり高値をつけた。

円は対ドル で101円台後半。過去4営業日では3%近く上昇している。
日銀の中曽宏副総裁は、月内に金融刺激策を拡大するかについて、新しい手掛かりをほとんど示さなかった。

アジア新興国通貨は8日、大半が軟調に推移している。
欧州中央銀行(ECB)の金融政策理事会をこの日に控える中、投資家はロングポジションの縮小に動いているもようだ。

ただし、良好な中国貿易統計を受けて、アジア通貨の下落は限定的だ。

中国貿易統計では、輸入が約2年ぶりに増加し、輸出はより小幅な減少にとどまった。国際貿易が上向いていることを示しており、輸出に依存するアジア経済にとってプラスととらえられた。

<米・経済指標>
○米・新規失業保険申請件数(前週分)
26.3万件 → 25.9万件↓

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【2016.09.09】FX市場

FRB高官の発言を受けて米利上げ観測が高まり、ドルが上昇!

ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の102円前半。

早朝はドル買い戻しの流れで102円半ばまで上昇していたが、さらなる上値追いには材料を欠き、総じて上値が重い展開となった。北朝鮮の核実験も頭を抑える要因になったという。

9日午前中盤の米ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)高官の発言を受けて早期の米利上げ観測が高まり、ドルが上昇した。

ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は同日の講演で、米経済が完全雇用の状況にある中で、緩やかな利上げが適切としたほか、低金利は景気過熱のリスクを増大させるとの認識を示した。

ドル/円JPY=は0.2%高。総裁の発言を受けて、一時は103.05円まで上昇した。

またこれに先立つ8日遅くには、ブレイナードFRB理事が来週12日に講演を行うと伝わった。

ブレイナード理事はFRB内でも最もハト派とされ、アナリストの間では、同氏が講演でFRBが利上げに近づいているとのメッセージを発するとの見方が浮上。

米連邦公開市場委員会(FOMC)内で利上げへのコンセンサスが形成された可能性を示唆していると受け止められているもようだ。

ローゼングレン、ブレイナード両氏はFOMCで投票権を持つ。

米連邦準備理事会(FRB)高官の発言を受けて早期の米利上げ観測が高まり、ドルが上昇した。

ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は同日の講演で、米経済が完全雇用の状況にある中で、緩やかな利上げが適切としたほか、低金利は景気過熱のリスクを増大させるとの認識を示した。

ドル/円 は0.2%高。総裁の発言を受けて、一時は103.05円まで上昇した。

アジア通貨市場では、ウォンが下落。北朝鮮がこの日、5回目となる核実験を行ったと発表したことで朝鮮半島における地政学的な緊張が高まり、利益確定の売りが出た。

欧州中央銀行(ECB)が、今後追加刺激策を講じる可能性を明確に示唆しなかったことで、アジアの相対的な高金利状態がさらに強まるとの観測が後退。他のアジア通貨も今週の上げ幅を削る展開となった。

【先週の動向と今後の予想】

先週は5日に行われた日銀・黒田総裁の講演が注目された一週間となりました。

その中で、追加緩和の用意があるとしながらも手掛かりを示さない、日本の特有の優柔不断な発言となっています。

そのため、ドル/円は不信感から、先週104円前半から103円半ばまで急落する場面もありました。

6日のNY市場はレイバーデー明け、米8月ISM非製造業景況指数が発表されると、6年半ぶり低水準のネガティブサプライズを受け、ドルが急落しています。

市場関係者の間では、この市場でこんなに動くのかという驚きの声も多くありました。
今まで、ここまで急落するとは思ってもいなかった関係者もいます。

それだけ、市場は敏感に反応していることになります。

米・株式市場の環境が良い事から、すべての買い手が買い終わると米株式市場は大天井となりそうな勢いです。

これがいつ買い終わるかは誰にもわかりませんが、FRBが役目を終えたことは確かです。

日本では、マイナス金利で銀行や信用金庫の不動産向け融資が急増しています。

今年4~6月期の新規貸出額は前年同期比22.0%増の3兆1271億円に達し、バブル期の1989年に記録した4~6月期のピーク(2兆7679億円)を27年ぶりに更新しています。

日銀が今年2月にマイナス金利政策を導入したことで、運用難に陥った資金が不動産市場に流入しているためだ。としています。

また政府は、労働者に事実上無制限の時間外労働(残業)を課すことが可能とされる労働基準法の「36(サブロク)協定」の運用を見直し、1か月の残業時間に上限を設定する検討に入っています。

さて、日足チャートをみると、

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週初めの月曜日には、日銀・黒田総裁の発言により、ドル/円は急落104円前半から103円前半にかけて下落しています。

その後、米・ISM非製造業景況指数のネガティブサプライズで、ドル/円は一時101円後半まで下落する場面もありました。

さらに、日銀・中曽宏副総裁の発言で、下値を試す展開となりました。

その後FRB高官の利上げ観測の発言を受けて、反発しドル/円は上昇しています。

ここで102円が直近の下値になって、下降ラインを上に抜けていくのかになります。

上昇トレンドの定義は、『下値の切り上がり、上値を更新』することとなっています。

まだ保ち合いが続き、下値を試す場面が今後あるのかが注目されます。

すんなりと、下降ラインを上に抜けていくとは考えにくいような気がします。

【来週の経済指標発表】

・09/15
米・生産者物価指数(コア)(前月比/前年比)
米・小売売上高(前月比) / 米・小売売上高(除自動車)(前月比)
米・生産者物価指数(前月比/前年比)
・09/16
米・消費者物価指数(前月比/前年比)
米・消費者物価指数(コア)(前月比/前年比)

【ドル円の平均ボラティリティ(日足)】

09/05~09/09

・・121pips

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