【2016.07.10】先週07/04~07/08のFX値動き
- 2016/07/10
- 為替ニュース
英国民投票の結果を受けて衝撃が和らぎつつあるも、EU離脱の手続きをめぐる不透明感から、市場は不安定であった。
さて先週一週間の動きをみていきましょう。
【2016.07.04】FX市場
週明け、独立記念日の祝日で米市場が休場で薄商い!
ニューヨーク市場午後5時時点に比べて小幅ドル高/円安の102円後半。
米国市場が独立記念日で休場となるこの日は、朝方から動意薄で、東京市場は「開店休業」状態に陥った。
欧州外為市場では、英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けた衝撃が和らぐなか、安全通貨と見なされる円やスイスフランなどの通貨が軟調に推移した。
ただこの日は独立記念日の祝日で米市場が休場となっていることで商いは薄かった。
英国民投票の結果を受けた衝撃は和らぎつつあるものの、市場関係者は離脱決定を受けた次の手続きをめぐる不透明感が高い状態は今後も続くと指摘。
UBSのウエルス・マネジメント部門は報告書で、「向こう数カ月間にさまざまな政治的な決定が下される必要があり、これにより英ポンド相場が大きく動く可能性がある」との見方を示した。
アジア新興国通貨は、おおむね堅調となっている。主要先進国の中銀が追加緩和に動くとの観測を背景に、高リターンを求めた投資マネーがアジア通貨市場に流入している。
4日の米市場は、独立記念日で休場。そのため取引は比較的低水準。インドネシア市場は今週いっぱい休場となる。
人民元の対米ドル相場 は下落し、2営業日連続で5年半ぶりの安値を更新した。
【2016.07.05】FX市場
ドル/円は1週間ぶり101円台まで下落!
ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の101円後半。午前から株安やクロス円の円買いなどで上値の重さが意識されていた 。
午後にオーストラリアの政策金利が発表されると円買いが強まり、ドル/円は1週間ぶ りに101円台まで下落した。
ポンドが対ドルで31年ぶり、対ユーロで2年半ぶりの安値に沈んだ。英国の欧州連合(EU)離脱決定による経済・金融への悪影響が懸念されている。
ポンド は対ドルで一時1.7%急落し、1985年9月以来の安値となる1.3055ドルをつけた。
6月23日の国民投票前の水準からは12%の値下がりとなる。対ユーロ でも1.4%安の85.48ペンスと、2013年終盤以来の安値をつけた。
5日のアジア通貨は総じて下落。株安につれる展開となっている。今週の一部の市場の休場や米雇用統計を控え、利益確定の売りが出ている。
人民元 は5年半ぶり安値。中国人民銀行(中銀)が基準値を元安に設定した。市場では、人民銀が輸出支援のため、元安を容認するとの見方が浮上している。
<米・経済指標>
○米・製造業受注(前月比)
1.9% → -1.0%↓
【2016.07.06】FX市場
ドル/円一時100円割れ、その後101円を回復!
ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の100円後半。海外時間のリスク回避の流れを引き継いで一時100円半ばまで下押しされた。
大幅安となった株価が大引けにかけて下げを縮めると、ドル/円も101円を回復する場面もあった。
安全資産とされる円が英ポンド に対して3年半ぶり高値、対ドルとユーロで2週間ぶり高値をつける場面があった。
ポンドは対ドルで一時、1985年以来初めて1.28ドルを割り込んだ。
英国の欧州連合(EU)離脱決定に伴い、世界経済により広範な影響が及ぶとの懸念が強まった。英国の商業用不動産ファンドが相次いで解約を停止したことも、市場を動揺させた。
欧州市場の取引時間で、ドルは対円 で一時、100.22円の安値をつけた。ただ、米供給管理協会(ISM)が発表した6月の非製造業総合指数(NMI)が、昨年11月以来の高水準となり、ドルが下げ幅を縮小した。
英国の欧州連合(EU)離脱、いわゆる「ブレグジット」選択は多くの人に大きな衝撃を与えた。
だが、当社の各国エコノミストの分析によれば、2016―17年の国内総生産(GDP)成長率へのインパクトは、英国が累計で2.0ポイントに達するものの、ユーロ圏は同0.5ポイント、米国は同0.2ポイントにとどまる。
これらを前提にすれば、日本経済への影響は、円高や株安を考慮しても0.2―0.3ポイントにとどまる。大規模な追加財政が検討されているが、日本経済が完全雇用にあることを考えるのなら、極力控えるべきだろう。
そもそも日本の成長率が低いのは、潜在成長率がゼロまで低下しているためであって、ブレグジットが影響しているわけではない。
ただ、短期的なマクロ経済への影響はともあれ、長期的に見ると、今回の出来事は相当に大きな影響を世界経済に及ぼす可能性がある。
大げさに言えば、後に「歴史的転換」と呼ばれるかもしれない。
アジア新興国通貨は下落。英国の欧州連合(EU)離脱決定による懸念が改めて広がった。
ウォン と台湾ドル は、株安を受けてそれぞれ1週間ぶり安値に下落した。この日はインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポールが休場となっている。
<米・経済指標>
○米・貿易収支
-374.0億ドル → -411.0億ドル↓
○米・ISM非製造業景況指数
52.9 → 56.5↑
【2016.07.07】FX市場
ポンドの先行き不透明感が続く中、ドル/円は100円台後半!
ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の101円前半。
英国の欧州連合(EU)離脱に関連したリスク警戒感は根強く、ドル/円の上値は重かった。
英ポンドが3日ぶりに反発。英製造業統計が予想を上回ったことに加え、リスク選好がやや回復するなか買い戻しが入った。
ただポンドの先行き不透明感は払しょくされていない。円相場は1ドル=100円台後半での取引。
中国人民銀行(中央銀行)が発表した6月末時点の外貨準備高は3兆2100億ドルで、5年ぶりの低水準となった5月末時点の3兆1900億ドルから200億ドル増と予想外に増加した。過去14カ月で最大の伸びとなった。
市場は3兆1700億ドルに減少すると予想していた。
ANZ(香港)のシニアエコノミスト、レイモンド・ユン氏は、外貨準備の増加は円高により円建て資産の評価額が上昇したことによるもので、驚きではないと指摘した。
人民銀行の元安容認で人民元が5年半ぶりの安値に下落するなか、資本流出への懸念が強まっている。
アジア通貨は総じて堅調。
6月の米ISM非製造業総合指数が良好だったことや米利上げが近くないとの見方を背景に、投資家のリスク選好度が高まっている。
<米・経済指標>
○米・ADP民間雇用者数
17.3万人 → 17.2万人↓
○米・新規失業保険申請件数(前週分)
26.8万件 → 25.4万件↓
【2016.07.08】FX市場
FRBが年内利上げ薄でドル/円上値が重い展開!
ニューヨーク市場午後5時時点に比べて小幅ドル安/円高の100後半。
米雇用統計の発表を控えた様子見ムードの中、午後はにわかに円買いが強まり、100円前半に下落する場面があった。
その後の戻りは鈍く、上値の重さが意識されている。
8日午前の米ニューヨーク外為市場では、振れの大きい展開となる中、ドルが対円で小幅下落した。
6月の米雇用統計は市場予想を上回る大幅増となったが、米連邦準備理事会(FRB)の年内利上げを後押しすることはないとの見方が広がった。
ドルは統計発表直後、反射的に上昇、対円では上げに転じた。ユーロに対しては2週間ぶり、スイスフランに対しては5週間ぶり高値をつけたが、その後は失速しほぼ横ばいとなった
8日のアジア通貨は、米雇用統計の発表を前に総じて下落。週間ベースでは、英国の欧州連合(EU)離脱に対する懸念を背景に下落して取引を終える見通し。
人民元 は小幅安。6月の中国の外貨準備は予想外の増加となった。
市場関係者は、中国人民銀行(中央銀行)が為替介入を縮小していることが外準増加の原因ではないかと分析している。
元は週間ベースでは5週連続の下落と、過去7カ月で最長の下落となる見通し。
<米・経済指標>
○米・非農業部門雇用者数 /米・失業率(雇用統計)
3.8万人/4.7% → 28.7万人/4.9%↑
【先週の動向と今後の予想】
先週は、英国離脱の決定後から不透明感が続く中で、ドル/円は下げ方向に推移する展開となっています。
週はじめ米国では、独立記念日で3連休をとなり、薄商いとなっています。
英国民投票の結果後、EU離脱手続きの不透明感からドル/円も足を引っ張られているように、一時100円を割り込むことになりました。
ブレグジットを受けた英中銀カーニー総裁の記者会見に注目が集まりましたが、会見を待たずにポンド売りが優勢となりました。
今後ポンドは買い戻し決算後、戻り売りで対応する投資家も増えてくるでしょう。
米経済指標では、米・ISM非製造業景況指数は52.9→56.5、雇用統計前哨戦となる米6月ADP全国雇用者数は17.2万人増(予想16.0万人)、米新規失業保険申請件数25.4万件(予想26.9万件)と良い結果となっています。
FOMC議事録(6/14-15分)では、5月の雇用急減速やブレグジットを懸念して利上げに慎重姿勢が示されています。
日足チャートをみると、
先週のドル/円相場は、反発することなく下げ一色の展開となり、一時100円を割り込む事態となりました。
現在100円中盤とやや戻しを入れていますが、今後の展開次第では、100円を割り込むことも予想され、一層の円高が懸念されます。
月足チャートでは、今年2月の大きな下げ幅を観測し、下降トレンドが形成され、その後戻したのは5月の1回のみで、その後は下げの展開となっています。
現在100円前後でどう動いてくるのか、今後注目されていきます。
長期下降ラインでの節目にあたるポイントにもなっています。
今後反発するのか、100円を割りこんで更に下げてくるのか、重要なポイントにきていることは確かです。
【ドル円の平均ボラティリティ(日足)】
07/04~07/08
・・104pips