【2019.06.09】先週06/03~06/07のFX値動き

米通商問題は、中国だけでなくメキシコ、イランにも飛び火し、世界的な経済不安が増しています。またEU諸国では、英国のメイ首相がEU離脱を前に辞任するという事態となっています。

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さて先週一週間の動きをみていきましょう。

【2019.06.03】FX市場

ドル下落!トランプ米大統領がメキシコからの輸出品に関税をかける方針を受けて

前週ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の108円前半。
一時108.07円まで売られ、1月14日以来4カ月半ぶり安値を更新した。
前週末にトランプ米大統領がメキシコからの輸出品に関税をかける方針を示し、逃避的に円が買われた流れが続いた。

英国の次期首相の有力候補、ジョンソン前外相は3日、同国の欧州連合(EU)離脱について、「合意ある離脱」でも「合意なき離脱」でも10月31日にEUを離脱すると表明、与党保守党の党首選に向けた選挙活動を本格的に開始した。

英国のメイ首相は今月7日に保守党党首を辞任する。ブックメーカー(賭け屋)では、後任候補としてジョンソン氏が有力視されている。

ジョンソン氏はツイッターに投稿した動画で「私が就任すれば、合意のあるなしにかかわらず、10月31日に離脱する」と表明。

動画では、ジョンソン氏が有権者と話をしている姿や、同氏がカメラに向かって語りかける場面などが収められている。

党首選にはこれまでに13人が出馬を表明しており、最終決定までに2カ月かかる可能性もある。

ジョンソン氏は「減税して有権者の資金を増やす」と発言。「私たちの社会を、私たちの国を1つにまとめる時だ」とし、教育、インフラ、医療への投資拡大を訴えた。

<米・経済指標>
〇5月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
 50.6 → 50.5↓
〇5月ISM製造業景況指数
 52.8 → 52.1↓
〇4月建設支出(前月比)
 -0.9% → 0.0%↑

【2019.06.04】FX市場

ドル5カ月ぶり安値を更新!FRB利下げの可能性を受けて

前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の108円前半。
一時107.86円まで売られ、1月10日以来5カ月ぶり安値を更新した。米国の通商政策や利下げへの警戒感が、ドル売り/円買いの手掛かりとなっている。

終盤のニューヨーク外為市場でドルが小幅安。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が世界貿易戦争などの景気リスクに直面する中、利下げの可能性をほのめかしたことを受けた。

パウエル議長は、FRBは世界的な貿易戦争などに起因するリスクに「適切に」対応すると述べた。
2日間の日程で始まった会議の冒頭講演で、前回の連邦公開市場委員会(FOMC)以降、世界的な株式、債券市場の波乱要因となり、米国だけでなく世界的な経済成長に対するリスクとなっている通商問題が及ぼす影響をFRBは「緊密に注視」しているとした。

前日にはセントルイス地区連銀のブラード総裁が、世界的な貿易を巡る緊張の高まりによる世界経済に対するリスク、および低調な米インフレを踏まえると、米利下げは「近く正当化」される可能性があるとの考えを示した。

テンパスのトレーディング部バイスプレジデント、ジョン・ドイル氏は、パウエル氏のコメントについて、前日のブラード発言ほどハト派的でなかったが、貿易摩擦や低インフレという同じ懸念を示したと指摘。
「FRB(当局者ら)が年内1回以上の利下げに向
け、市場参加者に心の準備をしてもらう協調行動に着手した公算が大きい」と語る。

ブラード総裁の発言を受け、前日はドルが対円で5カ月ぶり安値を付けた。

米商務省が公表した4月の製造業新規受注は前月比0.8%減少した。
出荷は2017年4月以来の大幅な落ち込みとなり、製造業の弱含みが続いていることを示唆した。製造業の鈍化はより広範な経済の重しになる恐れがある。

ノバポイントキャピタルの最高投資責任者、ジョセフ・スロカ氏は「FRBが景気状況と関係なく、利上げを行うとの懸念が広がった6─8カ月前の状況から一変した」と話した。

英ポンドは対ドルで0.32%高の1.270ドル。
トランプ米大統領が英国の欧州連合(EU)離脱後に「素晴らしい」貿易協定の締結に意欲を示したが、無秩序な離脱懸念を背景に上げは控えめだった。

<米・経済指標>
〇パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
〇4月製造業新規受注(前月比)
 1.9% → -0.8%↓

【2019.06.05】FX市場

ドルやや買戻し!IMF、中国の経済成長見通しを下方修正

前日ニューヨーク市場午後5時時点より小高い108円前半。
日本や中国の株高および日米金利差拡大にも関わらず、ドルはじり安の展開となった。
このところ下値を支えてきた実需の買いが後退したことが主因とみられる。

終盤のニューヨーク外為市場でドルが小幅安。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が世界貿易戦争などの景気リスクに直面する中、利下げの可能性をほのめかしたことを受けた。

主要6通貨バスケットに対するドル指数は0.09%安の97.057。

円は対ドルでほぼ横ばいの108.05円。

パウエル議長は、FRBは世界的な貿易戦争などに起因するリスクに「適切に」対応すると述べた。
2日間の日程で始まった会議の冒頭講演で、前回の連邦公開市場委員会(FOMC)以降、世界的な株式、債券市場の波乱要因となり、米国だけでなく世界的な経済成長に対するリスクとなっている通商問題が及ぼす影響をFRBは「緊密に注視」しているとした。

前日にはセントルイス地区連銀のブラード総裁が、世界的な貿易を巡る緊張の高まりによる世界経済に対するリスク、および低調な米インフレを踏まえると、米利下げは「近く正当化」される可能性があるとの考えを示した。

国際通貨基金(IMF)は5日、貿易摩擦を巡る不透明感の高まりを受け、中国の2019年の経済成長見通しを6.2%に下方修正した。
米中貿易摩擦が激化すれば、一段の金融政策緩和が正当化されるとの見解を示した。

IMFは2カ月前に見通しを6.2%から6.3%に引き上げていた。

IMFのリプトン筆頭副専務理事は発表文書で「成長率は19年に6.2%、20年に6.0%になることが見込まれる」とし、「緊張がさらに高まる可能性を踏まえると、短期的な見通しは引き続き不透明だ」と指摘した。

<米・経済指標>
〇MBA住宅ローン申請指数(前週比)
 -3.3% → 1.5%↑
〇5月ADP雇用統計(前月比)
 27.5万人 → 2.7万人↓
〇5月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)
 50.9 → 50.9→
〇5月総合購買担当者景気指数(PMI、改定値)
 50.9 → 50.9→
〇5月ISM非製造業景況指数(総合)
 55.5 → 56.9↑

【2019.06.06】FX市場

ドル下落!メキシコの移民を巡る会合が決裂したことを受けて

前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の108円前半。
早朝の取引で米国のメキシコの移民を巡る会合が決裂したと伝わり、リスク回避の円買いでドルは108.18円まで下落した。
午後3時までに108円割れは免れたものの、市場参加者は引き続きドルの上値追いには慎重。

ドルが小幅高。朝方は米ADP民間雇用者数が予想を下回ったことを受けてドル売りが先行し、対円で半年ぶり安値を付ける場面もあった。しかし、ISM非製造業総合指数(NMI)が2月以来の高水準になったことを手掛かりに、午後に入り、買い戻しが入った。

米労働省が7日発表する5月米雇用統計が注目される。アナリストは、雇用者数の伸びが鈍化すると予想する。

欧州中央銀行(ECB)は6日、理事会を開催する。市場では、当局者がどの程度経済減速の兆候を懸念しているか見極めようとしている。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は6日、イタリアには中期的に公共債務を削減する確かな計画が必要と述べた。
さらに、同国政府内から債務支払い支援に向け提案された小額の債券「ミニBOT(短期財務証券)」発行の可能性については懐疑的な見方を示した。

ドラギ総裁はECB理事会後の記者会見で「イタリア政府は、対国内総生産(GDP)比での債務削減に向けた中期計画を策定することになるだろう」と語った。

その上で「急ピッチでの削減が求められるとは思わない」とし、「中期的な計画、しかし、確かな計画とすべき」と述べた。どのよう

欧州委員会は前日、拡大するイタリアの債務について欧州連合(EU)の財政規則違反と判断し、是正手続き開始を勧告した。

<米・経済指標>
〇1-3月期四半期非農業部門労働生産性・改定値(前期比)
 3.6% → 3.4%↓
〇4月貿易収支
 -500億ドル → -508億ドル↓
〇前週分新規失業保険申請件数
 21.5万件 → 21.8万件↑
〇前週分失業保険継続受給者数
 165.7万人 → 168.2万件↑

【2019.06.07】FX市場

ドル下落!7月・米雇用統計発表を前に警戒感から

前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の108円前半。
朝方の取引では実需の買いや株高の支援を受け、ドルは108円半ばまで強含んだ。た だ、この日は香港や中国市場が休場で投機筋の動きが低迷したことや、今夜に米雇用統計 の発表を控えていることで、午後には様子見ムードが広がった。

ドルが下落。
7日の米雇用統計発表を前に警戒感が広がった。

モルガン・スタンレーのアナリストは「ADPが予想外に下振れしたことで雇用統計も同様に予想を下回る可能性がある」と述べた。

一方、ユーロ/ドルは値上がり。欧州中央銀行(ECB)の姿勢が予想ほどハト派的でなかったことから買い戻しが入った。

シリコンバレー銀のシニア外為トレーダー、ミン・トラン氏は、ECBが前向きに対応しているのとは対照的に、米連邦準備理事会(FRB)は出遅れが目立つと指摘。「市場は米利下げを半年も前に織り込み始めていた」と述べた。

米財務省は7日、イランの石油化学業界を標的とした新たな制裁を発動した。
対象にはイランの精鋭部隊「イスラム革命防衛隊(IRGC)」に金融支援を行っているとされる同国最大の石油化学持株会社ペルシャン・ガルフ・ペトロケミカル・インダストリーズ(PGPIC)と39の子会社や国外販売業者などが含まれる。ただアナリストの間では象徴的な意味合いしか持たないとの見方が出ている。

米政権当局者は、今回の制裁措置はイラン経済に対する広範な圧迫となり、IRGCの資金枯渇につながると指摘。
ただ、財務省出身のイラン専門アナリストは、米国以外の国の企業はすでにイランの石油化学業界との取引を縮小しているため、制裁措置は大きな効果をもたらさないと予想。

「主要な多国籍企業はイランともはや取引を行なっていないため、効果は限定される」と述べた。

<米・経済指標>
〇5月非農業部門雇用者数変化(前月比)
 26.3万人 → 7.5万人↓
〇5月失業率
 3.6% → 3.6%→
〇5月平均時給(前月比)
 0.2% → 0.2%→
〇5月平均時給(前年同月比)
 3.2% → 3.1%↓
〇4月卸売在庫(前月比)
 -0.1% → 0.8%↑
〇4月卸売売上高(前月比)
 2.3% → -0.4%↓
〇4月消費者信用残高(前月比)
 102.8億ドル → 175.0億ドル↑

(ロイターより)
(外為どっとコムより)

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【先週の主な動き】

さて先週は、米通商問題で中国だけでなく、メキシコ、イランに対しても関税をかけると、トランプ政権、米財務省は言っています。そんな中で先週、FRB・パウエル議長の発言が注目されています。

トランプ政権は、メキシコに対して、不法移民対策を要求しましたが、決裂したことを受けて、メキシコ製品に5%の関税をかけることになります。

米財務省は、イランの石油化学業界を標的とした新たな制裁を発動しました。
これに対し、米政権当局は、イラン経済に対する広範な圧迫となり、資金枯渇につながる指摘。この件に関しては、トランプ政権と米財務省が対立しているようです。

先週、FRB・パウエル議長の発言が注目され、貿易戦争などに起因するリスクに「適切」に対応すると述べ、米利下げは「近く正当化」される可能性があることを示唆しています。通商問題が及ぼす影響をFRBは「緊密に注視」すると述べています。

欧州では、英国のEU離脱が泥沼している中で、英国のメイ首相は7日、与党・保守党の党首を辞任しました。これを受けて、党首選が10日に始まる模様。
後任として、ジョンソン氏が有力視されています。
ジョンソン氏は、ツイッターに「私が就任すれば、合意のあるなしにかかわらず、10月31日に離脱する」と表明しています。

国際通貨基金(IMF)は5日、米中貿易摩擦を巡る不透明感の高まりを受けて、中国の2019年の経済成長見通しを6.2%に下方修正しています。

さて、日足チャートをみると、

先々週末に大きく下げて、現在は横ばい状態となっています。
上・下ライン付近では、大きく動くので注意が必要です。

見通しでは、さらに下がる可能性もありますが、テクニカル指標では逆に上がってきています。どこかで反発する可能性も出てきていますが、テクニカル指標で判断せず、あくまで実態で確認することが重要です。

【来週の主な経済指標発表】

・6/11(火)
21:30 5月卸売物価指数(PPI)(前月比)
21:30 5月卸売物価指数(PPI)(前年同月比)
21:30 5月卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)(前月比)
21:30 5月卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)(前年同月比)
・6/12(水)
20:00 MBA住宅ローン申請指数(前週比)
21:30 5月消費者物価指数(CPI)(前月比)
21:30 5月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
21:30 5月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比)
21:30 5月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比)
27:00 5月月次財政収支
・6/13(木)
21:30 5月輸入物価指数(前月比)
21:30 5月輸出物価指数(前月比)
21:30 前週分新規失業保険申請件数
21:30 前週分失業保険継続受給者数
・6/14(金)
21:30 5月小売売上高(前月比)
21:30 5月小売売上高(除自動車)(前月比)
22:15 5月鉱工業生産(前月比)
22:15 5月設備稼働率
23:00 6月ミシガン大学消費者態度指数・速報値
23:00 4月企業在庫(前月比)

【ドル円の平均ボラティリティ(日足)】

06/03~06/07

・・・60pips

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