【2018.12.02】先週11/26~11/30のFX値動き

先週28日は、パウエルFRB議長がNYで講演があり、今後の利上げペースに関して関心が集まっています。
11/30~12/1は、ブエノスアイレスで開かれた主要20か国・地域(G20)首脳会議が開かれ、そこで米中首脳会談を行う予定となっています。
アメリカ・トランプ大統領と中国・習近平国家主席が直接向き合うのは、7月に「貿易戦争」が本格化して以来、初めてとなります。




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さて先週一週間の動きをみていきましょう。

【2018.11.26】FX市場

ドル上昇!日経平均が持ち直し円が弱含み

前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の113円前半。

前週後半から日経平均が持ち直してきたことで、円が弱含みとなっている。夕刻に入ると、ユーロが対ドル、対円で一段高。
イタリア政府が19年の財政赤字目標を現在の対国内総生産(GDP)比2.4%から、2.0─2.1%へ引き下げることを検討していると伝わったことがきっかけになった。ドル/円も一段高になっている。

午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場の午後5時時点から小幅高の113円前半。
一時113.29円まで上昇し、今月16日以来10日ぶり高値をつけた。前週後半から日経平均が持ち直してきたことで、円が弱含みとなっている。

連休明けのドルは、午前の取引で112円後半から113円前半へ上昇。
ほぼ横ばいで寄り付いた日経平均が上げ幅を拡大したことが背景で、損失確定のドル買いが発生するストップロスを巻き込み、上げの勢いが加速した。

しかし買いが一巡した後、午後にかけては値動きが鈍った。
米中首脳会談や英国の欧州連合(EU)離脱問題など数多くの懸念材料を抱えた状態で「アジアの株高だけでは上昇しても113円半ばが限界」(国内証券)という。

【2018.11.27】FX市場

ややドル高!FRBのクラリダ副議長、金融政策に中立的なスタンス

前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の113円半ば。
前日海外市場でつけた半月ぶり高値には届かなかったものの、日中は底堅い動きが続いた。

米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長は27日、FRBは引き続き緩やかな利上げを継続する必要があるとしながらも、米国の金融政策が中立的なスタンスに近づきつつあるなか、新たな経済指標を緊密に注視することが「特に重要」となっているとの認識を示した。

クラリダ副議長は講演で言葉を慎重に選びながら、中立金利と最大雇用の双方を見極めることがFRBにとりいかに難しくなっているかを強調した。

新たなデータを通してFRBは「政策金利の最終地点」についてより多くの情報を蓄積することができると指摘。
金融政策は米国の経済成長を維持し、インフレの目標からの乖離の防止を目標とする必要があるとし、「現時点での金利サイクルでは広範なデータに注視することが特に重要になると考えている」と述べた。

FRBのバランスシートについては、最終的に可能な限り少なくしたいとの考えを表明。
また金利はなお制御できると述べた。市場にある銀行支払準備金の余剰は引き続き「豊富」と指摘。
一方、FRBが保有する債券は約4兆2000億ドルから金融危機前の1兆ドル以下の水準には縮小しないだろうと警告した。

<米・経済指標>
〇9月住宅価格指数(前月比)
0.3% → 0.2%↓
〇7-9月期四半期住宅価格指数(前期比)
1.1% → 1.3%↑
〇9月ケース・シラー米住宅価格指数
213.72 → 213.76↑
〇9月ケース・シラー米住宅価格指数(前年同月比)
5.5% → 5.1%↓
〇11月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
137.9 → 135.7↓

【2018.11.28】FX市場

ドル高値から下落!利上げ終了時期が近いとの見方が広がる

前日ニューヨーク市場午後5時時点より小高い113円後半。
アジア株が堅調に推移する中、午後の取引で一時113.90円と今月14日以来半月ぶり高値を付けた。

ニューヨーク外為市場では、ドルが2週間ぶりの高値から下落した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が28日、政策金利が中立金利を「若干下回る」水準にあるとの認識を示したことを受け、利上げ終了時期が近いとの見方が広がった。

DRWトレーディング(シカゴ)の市場ストラテジスト、ロウ・ブライアン氏は「FRBは10月3日から今日まで利上げをしていない。ということは、経済に対するパウエル氏の見方が低下したことになる」と述べた。

世界的な成長鈍化や最高潮に達した企業決算、激化する貿易摩擦などを背景にFRBが利上げペースを緩めるとの見方が台頭。
ドルはここ数週間において下押し圧力にさらされてきた。

トランプ米大統領もFRBによる利上げに不満を呈している。
29日に発表される11月7─8日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、追加利上げの回数を巡りさらなる手掛かりを得られるかが焦点となる。
また11月30日─12月1日に開催される20カ国・地域(G20)首脳会議も注目されている。

<米・経済指標>
〇MBA住宅ローン申請指数(前週比)
-0.1% → 5.5%↑
〇7-9月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値)(前期比年率)
3.5% → 3.5%→
〇10月新築住宅販売件数(年率換算件数)
55.3万件 → 54.4万件↑
〇10月新築住宅販売件数(前月比)
-5.5% → -8.9%↓
〇11月リッチモンド連銀製造業指数
15 → 14↓
〇パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言

【2018.11.29】FX市場

ドルが大幅に値下がり!FRB・パウエル議長発言で

前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の113円前半。
海外株高にもかかわらず、中国株がマイナス圏へ下落するなどアジア株が伸び悩んだことで、円が底堅い展開となった。

ニューヨーク外為市場ではドルが小幅高。前日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を引き続き消化する展開となった。

パウエル議長は前日の講演で政策金利が中立金利を「若干下回る」水準にあるとの認識を表明。市場では予想よりもハト派的と受け止められ、ドルが大幅に値下がりしていた。

CMEグループのFEDウオッチによると、金利先物が織り込む2019年の利上げ回数は1回だけとなっている。

ウエルズファーゴ(ニューヨーク)の為替ストラテジスト、エリック・ネルソン氏は「FRBの利上げ期待を巡って前日は織り込みの大幅な修正が入ったが、ドルを含め各市場ともやや過剰に反応したかもしれない」とし「ここからの下方修正の余地は多少限定的となる可能性がある」と述べた。

この日公表された11月7─8日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、追加利上げが「かなり早期」に正当化される公算が大きいとの見解で当局者らがおおむね一致したことが明らかになった。
また利上げの打ち止め時期やその伝達方法を巡って議論が始まったことも分かった。

<米・経済指標>
〇10月個人消費支出(PCE)(前月比)
0.4% → 0.6%↑
〇10月個人所得(前月比)
0.2% → 0.5%↑
〇10月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前月比)
0.2% → 0.1%↓
〇前週分新規失業保険申請件数
22.4万件 → 23.4万件↑
〇10月住宅販売保留指数(前月比)
0.5% → -2.6%↓
〇米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨

【2018.11.30】FX市場

ドルやや反発!週末の米中首脳会談を控え様子見

前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の113円半ば。
午前は実需筋の月末絡みのフローが散見されたが、午後は週末に米中首脳会談を控え様子見ムードが支配的となった。ドル/円の朝方からの値幅は上下19銭程度にとどまった。

ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は30日、物価の押し上げや弾力性の強化に向け新たな枠組みが必要とし、2%の物価上昇率をめざす政策目標の見直しに言及した。

現在の金融政策などには触れなかった。国民の長寿化や生産性の低下に伴い、いわゆる中立(均衡)金利も低下する中、FRBは「重大な課題」に直面していると指摘した。

FRBは足元2%をめどとする弾力的なインフレ目標政策を採用しているが、過去7年でゼロ近辺への利下げを強いられており、こうした状況ではインフレ期待は低下する恐れがある。総裁はこれを「インフレ目標の達成を阻害する、過度に低いインフレ期待の流れに逆らって泳ぎ続けるようなものだ」と表現した。

その上で、「平均インフレ」や「物価水準」を目標とする政策の利点を強調した。
物価水準目標とは、年2%の物価上昇が未達となっても、その後2%を上回る物価上昇でカバーするという考え方だ。

総裁は「どんな政策でも明白な意思伝達の下、着実に実行されなければ効果は得られない」とした上で、「現状維持のままならインフレ期待が過度の低水準に根付くリスクを抱えることになる」と述べた。

<米・経済指標>
〇11月シカゴ購買部協会景気指数
58.4 → 66.4↑

(ロイターより)
(外為どっとコムより)




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【先週の主な動き】

先週28日に、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言がありました。
また週末には、アルゼンチン・ブエノスアイレスでG20首脳会議(サミット)が開催され、12/1には米中首脳会談が行われることになっています。

FRBのパウエル議長では、金利は中立な水準を「わずかに下回る」と発言したことで、市場では「利上げ打ち止めが近いことを示唆した」と受け取り、ドル/円は高値から下落しています。

米ニューヨーク連銀総裁も「2%の物価上昇率」をめざす政策目標の見直しに言及し、総裁は、これを「現状維持のままならインフレ期待が過度の低水準に根付くリスクを抱えることになる」と言っています。

週末には、G20(20カ国・地域)首脳会議がアルゼンチンで開催されています。
トランプ米大統領と中国・習近平国家主席が直接向き合うのは、7月に「貿易戦争」が本格化して以来、初めてとなります。

トランプ米大統領は、中国側の譲歩に期待感を示し、中国側に圧力をかけている状況。
また米中首脳会談で、貿易問題を協議する新たな枠組みの設置を検討していると報じています。

日ロの平和条約交渉の中で、G20でプーチン露大統領とトランプ米大統領は、あいさつし握手を交わしたが、会話には発展しなかったことを報じられています。

さて、日足チャートをみると、

先週は、ドル上昇し高値から下落し始めています。
しかし、以前直近の高値を超えられず下落していることから、今後さらに下方向に動く可能性があります。

しかし、年末のため個人消費が増えていくので、下げ幅も限定的とみています。

【来週の主な経済指標発表】

・12/3(月)
23:45 11月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
24:00 10月建設支出(前月比)
24:00 11月ISM製造業景況指数
・12/5(水)
21:00 MBA住宅ローン申請指数(前週比)
22:15 11月ADP雇用統計(前月比)
22:30 7-9月期四半期非農業部門労働生産性・改定値(前期比)
23:45 11月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)
23:45 11月総合購買担当者景気指数(PMI、改定値)
24:00 11月ISM非製造業景況指数(総合)
24:15 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
28:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
・12/6(木)
22:30 10月貿易収支
22:30 前週分新規失業保険申請件数
22:30 前週分失業保険継続受給者数
24:00 10月製造業新規受注(前月比)
・12/7(金)
22:30 11月非農業部門雇用者数変化(前月比)
22:30 11月失業率
22:30 11月平均時給(前月比)
22:30 11月平均時給(前年同月比)
24:00 12月ミシガン大学消費者態度指数・速報値
24:00 10月卸売売上高(前月比)
24:00 アメリカ 10月卸売在庫(前月比)
29:00 アメリカ 10月消費者信用残高(前月比)

【ドル円の平均ボラティリティ(日足)】

11/26~11/30

・・・53pips




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