【2018.10.21】先週10/15~10/19のFX値動き

10月2日にサウジアラビア人の記者ジャマイカ・カショギ氏がトルコ・イスタンブールの総領事館で消息を絶ち、トルコはカショギ氏が殺されたと主張し、サウジ側はそれを否定しています。それが米国のトランプ大統領も懸念の意を表明し、米国とサウジの間で緊張が高まっています。




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さて先週一週間の動きをみていきましょう。

【2018.10.15】FX市場

ドル軟調!米国とサウジアラビア間の緊張の高まりで

前週ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の111円後半。
日本や中国の株価が下落する中、上値の重さが意識された。ムニューシン米財務長官が13日、今後の通商協議で、日本にも通貨安誘導を防ぐための為替条項を求めていく意向を示したこともドル買い意欲をそいだ。

ドルが軟調。
朝方発表の9月の米小売売上高が予想ほど伸びなかったことに加え、前週に大きく上昇した米国債利回りが落ち着きを取り戻したことなどが背景。

前週は9日に米10年債利回りが3.26%に上昇し、ドル高に寄与。
ただ同利回りは3.15%近辺に戻しており、外為市場ではドルに買いを入れる新たな理由が模索されている。

この日は米国とサウジアラビアとの間の緊張の高まりのほか、前週の世界的な株安につながったさまざまな懸念要因が払拭されていないことから、円やスイスフランなどの安全通貨に資金が流れた。

14日投開票の独バイエルン州議会選でメルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の姉妹政党である保守与党のキリスト教社会同盟(CSU)が大敗した。メルケル政権にとり痛手となる可能性がある。

英ポンドは1週間ぶり安値近辺で推移。欧州連合(EU)は17日から首脳会議を開くが、英国のEU離脱を巡りアイルランド国境問題の決着が着いていないことが、首脳会議に向けた楽観的な見方に冷や水を浴びせる状態となっている。

<米・経済指標>
〇10月ニューヨーク連銀製造業景気指数
19.0 → 21.1↑
〇9月小売売上高(前月比)
0.1% → 0.1%→
〇9月小売売上高(除自動車)(前月比)
0.3% → -0.1%↓
〇8月企業在庫(前月比)
0.6% → 0.5%↓
〇9月月次財政収支
-2141億ドル → 1191億ドル↑

【2018.10.16】FX市場

ドル反発!米株価上昇を受けリスク選好度が回復

前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の112円前半。
米金利上昇や株高が支援する形で朝方からじり高となった。
国際政治面で複数の懸念材料が残るものの、急速な円高進行に対する不安はやや後退し、下値では買い注文も観測された。

ニューヨーク外為市場では、米株価上昇を受けリスク選好度が回復したことで、ドル指数がほぼ横ばいで推移するなか、新興国通貨が上昇した。

好調な企業決算などを反映し、米株式市場の主要3指数はそろって大きく上昇。TD証券(トロント)の外為戦略部門北米担当責任者、マーク・マコーミック氏は「『リスクオン』相場入りしたように見える」とし、世界的に株価は再び上向いており、前週に見られたパニックは収まった」としている。

前週は米10年債US10YT=RR利回りが3.26%と7年ぶりの水準に上昇し、ドル支援要因となっていた。同利回りは現在は3.16%近辺で落ち着いている。

今週は、サウジアラビアの反政府記者ジャマル・カショギ氏の失踪を巡り米国とサウジの間で緊張が高まっていることが市場の重しとなっている。
ポンペオ米国務長官はこの日、サウジアラビアのサルマン国王の息子ムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談し、カショギ氏の失踪について徹底調査が重要との見解で一致した。

CMEフェドウオッチによると、金利先物市場が織り込む12月の利上げの確率は77%となっている。

<米・経済指標>
〇9月鉱工業生産(前月比)
0.4% → 0.3%↓
〇9月設備稼働率
78.1% → 78.1%→
〇10月NAHB住宅市場指数
67 → 68↑
〇8月対米証券投資(短期債除く)
748億ドル → 1318億ドル↑

【2018.10.17】FX市場

ドル下落!上げ幅を縮小、円が買われた

前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の112円前半。
株高が勢いづく場面では円が売られたものの、上げ幅を縮小すると円が買われた。

ドルが上昇し1週間ぶり高値を付けた。
午後に公表された9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、今後も利上げが継続するとの見方が強まった。

ウエストパック・バンキング(ニューヨーク)のFX戦略部部長、リチャード・フラヌロビック氏は「議事要旨はかなり予想通りの内容だった」とした上で、連邦準備理事会(FRB)は一段の引き締めへの自信を強めていると述べた。

主要6通貨に対するドル指数は0.49%高の95.510。一時95.562と今月10日以来の高値を付けた。

CMEグループのFEDウオッチによると、金利先物が織り込む12月利上げの確率は78%。議事要旨発表前は77%だった。来年は2回の追加利上げが見込まれている。

英ポンドは下落。英国の欧州連合(EU)離脱交渉でEU側の責任者を務める欧州委員会のバルニエ首席交渉官はこの日、交渉妥結にはもっと時間が必要との認識を示した。

9月の英消費者物価指数(CPI)の伸びが前年比2.4%と、予想の2.6%に届かなかったこともポンド売りにつながった。

<FOMC議事録>
ニューヨーク外為市場では、ドルが上昇し1週間ぶり高値を付けた。連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、今後も利上げが継続するとの見方が強まった。

ウエストパック・バンキング(ニューヨーク)のFX戦略部部長、リチャード・フラヌロビック氏は「議事要旨はかなり予想通りの内容だった」とした上で、米連邦準備理事会(FRB)は一段の引き締めへの自信を強めていると述べた。

CMEグループのFEDウオッチによると、金利先物が織り込む12月利上げの確率は78%。議事要旨発表前は77%だった。来年は2回の追加利上げが見込まれている。

英ポンドは下落。英国の欧州連合(EU)離脱交渉でEU側の責任者を務める欧州委員会のバルニエ首席交渉官はこの日、交渉妥結にはもっと時間が必要との認識を示した。
9月の英消費者物価指数(CPI)の伸びが前年比2.4%と、予想の2.6%に届かなかったこともポンド売りにつながった。

市場では、金融状況が世界的にひっ迫しているようだとして注意を促す声も聞かれる。企業や金融機関が為替リスクなしに外貨をドルに転換するコストを示すクロスカレンシー・ベーシス・スプレッド(スワップ・スプレッド)は過去数週間で拡大しているが、こ
れはFRBの利上げに伴い海外で調達できるドルが減少しているためで「リスクに注意する必要がある」(モルガンスタンレー)という。

<米・経済指標>
〇MBA住宅ローン申請指数(前週比)
-1.7% → -7.1%↓
〇9月住宅着工件数(年率換算件数)
128.2万件 → 120.1万件↓
〇9月住宅着工件数(前月比)
9.2% → -5.3%↓
〇9月建設許可件数(年率換算件数)
122.9万件 → 124.1万件↑
〇9月建設許可件数(前月比)
-5.7% → -0.6%↓
〇米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨

【2018.10.18】FX市場

ドル下落!戻り売りに押されて小幅に反落

前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の112円後半。
海外市場でドルが上昇した流れを受けて、112.74円まで上値を伸ばし、1週間ぶりの高値を付けたが、その後は戻り売りに押されて小幅に反落した。

ニューヨーク外為市場ではユーロが対ドルで下落し1週間ぶりの安値を付けた。
イタリアの来年度予算案を巡り、欧州委員会が欧州連合(EU)財政規律への重大違反が見られると指摘したことが材料となった。

こうした中、円相場JPY=は上昇。ダウ平均株価.DJIが400ドル近く値下がりするなど米国株の下げがきつくなる中、円が買われる展開となった。直近では0.5%高の112.14円。

オフショア人民元CNH=D3は対ドルで3カ月ぶり安値圏で推移。
直近では0.2%安の6.94元。米財務省は前日、半期に一度の外国為替報告書を発表。
中国などの為替操作国認定は見送ったが、ムニューシン財務長官は「とりわけ、中国の為替の透明性欠如と最近の元安が懸念材料だ」と指摘した。

シティグループでは、財務省が今後半年間、人民元の動向を注視しつつ見直すとしたことで「来年4月の報告書で中国を為替操作国に認定する用意があることが如実に示された」と述べた。

<米・経済指標>
〇前週分新規失業保険申請件数
21.4万件 → 21.0万件↓
〇10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
22.9 → 22.2↓
〇9月景気先行指標総合指数(前月比)
0.4% → 0.5%↑

【2018.10.19】FX市場

ドルじり上昇!ドル高/円安の112円半ば

前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の112円半ば。
朝方に安値112.14円を付けた後、じりじり上昇。
午後は上海株価指数の堅調推移や日経平均の下げ幅縮小などを手掛かりに上値を伸ばした。

ユーロとポンドが対ドルで上昇。メイ英首相が欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)交渉で最大の懸案となっている要求を取り下げる用意があるというブルームバーグの報道が材料視された。

ブルームバーグによると、メイ首相はアイルランド国境問題で主要な要求の一つを取り下げる構えという。
EUのバルニエ首席交渉官はこれに先立ち、ブレグジット交渉の進捗は90%に達しているが、アイルランド国境問題が引き続き障害となっており、合意に達しない可能性もあるとの認識を示していた。

<米・経済指標>
〇9月中古住宅販売件数(年率換算件数)
534万件 → 515万件↓
〇9月中古住宅販売件数(前月比)
0.0% → -3.4%↓




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【先週の主な動き】

先週は、サウジアラビア人の記者ジャマイカ・カショギ氏がトルコの領事館で殺害されたとして、米国とサウジアラビアの間で緊張が高まり、世界的な株安に繋がっていましたが、ようやく懸念要因に決着をみせた一週間となっています。

また先週は、米企業の決算と先行き見通しが、報告されています。

米金利上昇や株高が背景で、ドル/円はやや反発してきています。
「好調な企業決算などを反映し、米株式市場の主要3指数はそろって大きく上昇し、世界的に株価は再び上向いており、前週に見られたパニックは収まった」としています。

サウジアラビアの反政府記者ジャマル・カショギ氏の失踪を巡り、米国とサウジ間で緊張が高まっているとし、ポンペオ米国務長官は、サウジアラビアの息子ムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談し、カショギ氏の失踪について「徹底調査が重要との見解」で一致し、ひとまずは決着したものと思われます。

米為替報告書で中国が為替操作国認定されるかに注目されていましたが、為替操作国認定は見送り、1994年以降は認定なしとなっています。

英国のEU離脱に関して、独・メイ首相はアイルランド国境問題が要求を取り下げる構えも見せています。

さて、日足チャートをみると、

米企業の決算結果を受け米金利や株価が上昇し、為替もやや反発しています。
しかし、上昇するための材料がないことから、今後上値の伸びも期待できないでしょう。

緩やかに上昇・下降を繰り返し、横ばい状態もしくは下降気味となっていくことが、予想されます。

ファン理論によれば、トレンドの転換点において、3上昇するが上値が更新されずに緩やかに下降していきます。

【来週の主な経済指標発表】

・10/23(火)
23:00 10月リッチモンド連銀製造業指数
・10/24(水)
20:00 MBA住宅ローン申請指数(前週比)
22:00 8月住宅価格指数(前月比)
22:45 10月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
22:45 10月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
22:45 10月総合購買担当者景気指数(PMI、速報値)
23:00 9月新築住宅販売件数(年率換算件数)
23:00 9月新築住宅販売件数(前月比)
27:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
・10/25(木)
21:30 前週分新規失業保険申請件数
21:30 9月耐久財受注(前月比)
21:309月耐久財受注・輸送用機器除く(前月比)
23:00 9月住宅販売保留指数(前月比)
・10/26(金)
21:30 7-9月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)(前期比年率)
23:00 10月ミシガン大学消費者態度指数・確報値

【ドル円の平均ボラティリティ(日足)】

10/15~10/19

・・・63pips




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