【2018.08.19】先週08/13~08/17のFX値動き
- 2018/08/19
- 為替ニュース
先週は引き続きトルコで米国人牧師が拘束され、解放を巡る米国とトルコの対立となっています。トランプ米大統領は米中貿易摩擦とトルコとの対立が深まってきています。言い換えると、ドルと新興国通貨との闘いとなっています。
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さて先週一週間の動きをみていきましょう。
【2018.08.13】FX市場
ドル直近安値更新!トルコリラ安値更新、リスク回避的に円買い
前週ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の110円前半。
週明けの取引でもトルコリラが再び最安値を更新したことを受け、リスク回避的に円が全面高となった。
ニューヨーク外為市場では、トルコリラの下げが続く中、新興国通貨への売りが膨らんだほか、ユーロも軟調となった。
トルコリラは対ドルで7リラ台に値下がり。
トルコ中央銀行が金融システムへの流動性供給策を発表したことなどを受け下げ渋る場面も見られたものの、売り圧力が続いている。
新興国通貨では、南アランドが一時10%強急落。
ただその後は2.4%安まで持ち直した。インドルピーは最安値を更新。メキシコペソも1.4%安となった。
市場では、トルコと米国の関係悪化に加え、エルドアン大統領が経済への統制を強めていることなどへの不安は根強いものの、他の新興市場危機と比べると相場への影響はそれほど大きくないとの指摘が聞かれる。
ドルは対円で約6週間ぶり安値となる110.95円。対スイスフランでは0.2%安の0.9937フラン。
主要6通貨に対するドル指数は横ばいの96.367。
株価も世界的に下落し、MSCI世界株価指数は1カ月ぶりの安値を付けた。
【2018.08.14】FX市場
ドル上昇!海外市場でドルが買い戻し
前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の111円前半。
海外市場でドルが買い戻された流れを受け継いで強含んだ。
ただ、トルコリラや他の新興国通貨に対する警戒感や、本邦投資家の米国債投資に伴う円転要が意識され、高値圏でのもみ合いとなった。
ニューヨーク外為市場は、ドルが主要通貨バスケットに対し1年1カ月ぶり高値を付けた。
トルコリラ急落に伴う影響懸念から、安全資産とされるドル保有を増やす動きがみられた。
トルコリラは過去最安値から持ち直したが、トルコに対する欧州金融機関のエクスポージャー懸念が広がってユーロが売られ、ドルとスイスフランに対し1年1カ月ぶりの安値に沈んだ。
主要6通貨バスケットに対するドル指数は一時、96.794と昨年6月以来の高値を記録した。直近では0.4%高の96.762。
前日に過去最安値に沈んだトルコリラが持ち直し、1827GMT(日本時間15日午前3時27分)時点で6.8%高の1ドル=6.4300リラ。
トルコのアルバイラク財務相が自国通貨相場は上向くとの見方を示したことも、トルコリラの追い風となった。
<米・経済指標>
〇7月輸入物価指数(前月比)
-0.4% → 0.0%↑
〇7月輸出物価指数(前月比)
0.3% → -0.5%↓
【2018.08.15】FX市場
ドル下落!トルコ政府は米国製品に関税を2倍に引き上げ
前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べて小幅ドル高/円安の111円前半。
午前の取引では輸入企業のドル買いで強含んだが、トルコが米国製品に対する関税を大幅に引き上げたことが伝わると、リスク回避から円が買われた。
ドル指数が一時1年1カ月ぶりの高値を付けた。
中国の景気減速懸念や欧州のトルコに対するエクスポージャーを巡る不安を背景にドルが買われたほか、この日発表された米経済指標が底堅い内容となったこともドル相場を支えた。
ただ、その後カタールがトルコに150億ドルの投資を約束したと伝わると市場心理は改善、ユーロは値を戻した。
ある関係者は、カタールの投資やドイツとトルコ当局の協議などは「ユーロの下支えになる」と述べた。
主要6通貨に対するドル指数は一時96.984と2017年6月以来の高値を付けた。その後は横ばいの96.710で推移。
人民元はオフショア市場で約0.8%安の6.9512元と、2017年1月以来の安値を付けた。
今週に入り経済指標が予想を下回っていることが背景で、市場では人民銀による介入や政府の財政出動を巡る憶測がくすぶっているという。
トルコリラは対ドルで続伸。
トルコ政府は15日、乗用車やアルコール、たばこなど一部の米国製品に対する関税を2倍に引き上げたが、中銀の流動性対策やカタールの投資表明がリラの支えとなった。
リラは13日に付けた最安値の7.24リラから約12%戻し6.04リラ。
ただ年初来では依然40%近く値下がりしている。
<米・経済指標>
〇7月小売売上高(前月比)
0.5% → 0.5%→
〇7月小売売上高(除自動車)(前月比)
0.4% → 0.6%↑
〇8月ニューヨーク連銀製造業景気指数
22.6 → 25.6↑
〇4-6月期四半期非農業部門労働生産性・速報値(前期比)
0.4% → 2.9%↑
〇4-6月期四半期単位労働コスト・速報値(前期比年率)
2.9% → -0.9%↓
〇7月鉱工業生産(前月比)
0.6% → 0.1%↓
〇7月設備稼働率
78.0% → 78.1%↑
〇8月NAHB住宅市場指数
68 → 67↓
〇6月企業在庫(前月比)
0.4% → 0.1%↓
〇6月対米証券投資(短期債除く)
456億ドル → -365億ドル↓
【2018.08.16】FX市場
ドルやや反発!米中が貿易協議を再開するとの報道で
前日ニューヨーク市場の午後5時時点から小幅高の110円後半。
海外市場で株安を背景に進んだ円高は一服となり、ドル/円も下げ止まったが、買い戻しが活発化するには至らなかった。
終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが前日に付けた13カ月半ぶりの高値から反落した。
一方、米中が今月下旬に貿易協議を再開するとの報道で、中国人民元は昨年1月以来の安値から反発した。
報道を受けて米中の貿易摩擦が改善するとの期待が高まったが、この協議が通商問題の解決につながるかどうかは、なお疑問が残る。
インベスコのチーフストラテジスト、クリスティナ・フーパー氏は、次回の協議で何かが決まるのかという点については「かなり慎重に見ている」と指摘。
「ただ、市場は期待をつなぎ止める何かを探している」と述べた。
トランプ大統領はこの日、「資金がわれわれにとって重要なドルに流入しつつある。
これまであまり見られなかったことだ」とツイッターに投稿し、このところのドル高を評価する姿勢を示した。
また、米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長もCNBCのインタビューで、強いドルは米国経済への信頼の表れと指摘した。
主要6通貨に対するドル指数は一時0.4%下落。
その後は0.06%安の96.637で推移した。前日には昨年6月以来の水準となる96.984まで上げていた。
オフショア人民元は1.1%高の1ドル=6.8714元。前日には昨年1月以来となる6.9587元に下落していた。
トルコリラは3日続伸し、2.4%高の1ドル=5.8101リラ。この日は、アルバイラク財務相が世界各国の投資家やエコノミスト向けに電話会議を開催。
ただ、ムニューシン米財務長官が、トルコ当局が拘束している米国人のブランソン牧師を解放しなければ、追加制裁を科す用意があると語ったことを受け、上げ幅を縮めた。
リラ上昇を受け、ブラジルレアル、メキシコペソも連れ高となったが、インドルピーと南アフリカランドは下落した。
ユーロ/ドルはは約0.1%高の1.13575ドル。
前日に付けた13カ月ぶり安値から小幅に上昇。ドイツのショルツ財務相はトルコのアルバイラク財務相に対し、ドイツがトルコの経済的安定に関心を持っていると述べた。
<米・経済指標>
〇7月住宅着工件数(年率換算件数)
117.3万件 → 116.8万件↓
〇7月住宅着工件数(前月比)
-12.3% → 0.9%↑
〇7月建設許可件数(年率換算件数)
127.3万件 → 131.1万件↑
〇7月建設許可件数(前月比)
-2.2% → 1.5%↑
〇8月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
25.7 → 11.9↓
〇前週分新規失業保険申請件数
21.3万件 → 21.2万件↓
【2018.08.17】FX市場
ドル再度下落!ドル需要が低下し利確定売り
前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の110円後半。
トルコリラは19円付近で下げ止まっているものの、中国株は依然下落基調から抜け出せず、リスクオンにはなりにくい環境が続いている。
ドルが主要通貨に対して下落。米中の貿易摩擦への懸念が後退する中、安全資産としてのドル需要が低下したほか、利益確定の売りも出た。
主要6通貨に対するドル指数は0.56%下げて96.107。過去1カ月近くで最も大きな下落となった。
BKアセット・マネジメントの為替戦略マネジングディレクター、キャシー・リエン氏は、投資家がリスクを回避する中で、この数カ月は積極的なドル買いが続いたとし、「投資家は今夏の最後の2週間に向けてショートカバーとポジションの巻き戻しをしている」と述べた。
米中貿易摩擦の激化を受け、新興国通貨が売られドルが買われたが、来週に予定される次官級通商協議で対立緩和を期待する声もある。
この日はトルコリラが対ドルで反落し、5%超下落。
トルコに拘束されている米国人牧師、アンドリュー・ブランソン氏の釈放が実現しなければ、米国が制裁を強化するとの懸念を受けた。
ユーロ/ドルは0.59%高の1.1442ドル。今週付けた13カ月超ぶりの安値から反発している。
<米・経済指標>
〇7月景気先行指標総合指数(前月比)
0.5% → 0.6%↑
〇8月ミシガン大学消費者態度指数・速報値
97.9 → 95.3↑
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【先週の主な動き】
先週はトルコ政府が米国人牧師解放を巡り、米国とトルコとの対立が鮮明となる一週間となりました。これもトランプ米大統領の高い関税に端を発しています。
トランプ米大統領は、米国人牧師を解放しなければ、トルコに大規模制裁を課すと警告。
これに対してトルコのエルドアン大統領は、強硬姿勢を貫き、米国製品に高い関税を課すと報復処置をとっています。
そんな中で、米中が今月下旬に貿易協議を再開すると報道しています。
トランプ米大統領は、自国に利益を優先するあまり、世界の貿易摩擦問題を深刻化しています。
それは本当に米国が望んでいることなのか?
11月の中間選挙に備え公約を実行しているに過ぎないが、世界中を敵に回しても貿易問題を解消しようとするトランプ米大統領の思惑がわかりません。
ここで米国の貿易赤字について調べてみると、直近3カ年の推移では、貿易赤字は膨らんでいます。
2015年:△761,868(100万ドル)→2016年:△751,051(100万ドル)→2017年:△807,495(100万ドル)と貿易赤字は解消されないまま放置状態となっています。
※JETRO 基礎的経済指標より
まさに世界は、米国中心に経済が潤ってきていると言っても、過言ではないようです。
米国の経常収支も赤字続きで、このまま赤字が続けば、米国はデフォルト危機が大きくなっていきます。
これは日本でも言えます。
日本の政府が赤字国債を発行して、日本経済を潤しています。
政府が赤字を解消するために、高い税率を国民に課している状態と同じなのです。
赤字を解消して経済成長を止めるのか、赤字を出してでも経済を優先にしていくのか、どちらかしかないのです。財務省は前者を考えているようですが。
さて、日足チャートをみると、
ドル/円はもみ合い状態となっています。大きく上昇するかに見えて大きく下落する場面もありました。
一応200日移動平均線でサポートしていますが、このサポートラインを下回ると、下落方向に逆戻りとなってしまいます。
高値の更新がないまま、大きく下落していく気配もありません。
下落期間が長いため、上昇転じていくには、かなり時間がかかりそうです。
【来週の主な経済指標発表】
・8/22(水)
20:00 MBA住宅ローン申請指数(前週比)
23:00 7月中古住宅販売件数(年率換算件数)
23:00 7月中古住宅販売件数(前月比)
・8/23(木)
21:30 前週分新規失業保険申請件数
22:00 6月住宅価格指数(前月比)
22:00 4-6月期四半期住宅価格指数(前期比)
22:45 8月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
22:45 8月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
22:45 8月総合購買担当者景気指数(PMI、速報値)
23:00 7月新築住宅販売件数(年率換算件数)
23:00 7月新築住宅販売件数(前月比)
・8/24(金)
23:00 アメリカ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
【ドル円の平均ボラティリティ(日足)】
08/13~08/17
・・・79pips
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