【2018.07.22】先週07/16~07/20のFX値動き

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言に注目が集まりました。
トランプ政権は11月の中間選挙に向けて貿易赤字を解消するために、対中輸入関税に集中しています。またトランプ米大統領のドル高懸念も浮上し、ドルに影響を与えた一週間となっています。




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さて先週一週間の動きをみていきましょう。

【2018.07.16】FX市場

ドルやや上昇!パウエルFRB議長議会証言を控え

前週末ニューヨーク市場の午後5時時点とドルが下落。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長による経済・金融政策に関する半期に一度の議会証言を17、18日に控え、ポジションを調整する動きが出た。

アナリストによると、パウエル議長は緩やかなペースでの引き締め政策が適切との見解を再表明する公算が大きい。
ただ、通商問題に関し何らかの警戒感が示唆されれば、リスク選好の動きは後退する可能性がある。

テンパス・コンサルティングのジョン・ドイル氏は、パウエル議長はお膳立て通りに行動するタイプとし、「2日間の証言の内容は概ね一致することが予想され、明確な手掛かりを示したり、口を滑らせるようなことはないだろう」と述べた。また、パウエル議長が貿易摩擦や、それに伴う金利見通しへの影響などについて発言するか注目するとした。

終盤の取引で、主要通貨6指数に対するドル指数は続落し94.526。

朝方発表された6月の米小売売上高統計を受け、ドルは下げ幅を縮小する場面もあった。小売売上高は前月比0.5%増と、底堅く伸び、市場予想と一致した。

その他、低調な中国国内総生産(GDP)統計など悪材料も出たものの、世界のリスク選好度は高まった。

<米・経済指標>
〇7月ニューヨーク連銀製造業景気指数
25.0 → 22.6↓
〇6月小売売上高(前月比)
0.8% → 0.5%↓
〇6月小売売上高(除自動車)(前月比)
0.9% → 0.4%↓
〇5月企業在庫(前月比)
0.3% → 0.4%↑

【2018.07.17】FX市場

ドル上昇!パウエルFRB議長はこの日の上院証言で

前日ニューヨーク市場午後5時時点より小高い112円前半。
午前は国内勢のドル買いで上昇する場面もあったが、一段の上昇にはエネルギーが不足。午後は次の材料待ちとなり、方向感が出なかった。

終盤のニューヨーク外為市場ではドルが上昇した。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はこの日の上院証言で、米経済について前向きな見解を示したほか、貿易を巡る各国の対立が金融引き締めの見通しに与える影響は大きくないとの見解を示した。

パウエル氏の証言を受け、ドルは対円で6カ月ぶり高値に上昇した。市場では、貿易を巡るパウエル氏の証言が利上げペース鈍化の可能性を示すヒントになると注視していたが、懸念が示されなかったことで、ドル買いのきっかけになったと述べた。

パウエル氏は米経済について、今後「数年」にわたり労働市場が堅調を維持し、インフレ率もFRBの目標である2%近辺で推移するとの見通しを示した。
また、トランプ政権の通商政策を巡り不透明性が漂っているとの認識を示しつつも、貿易戦争が世界の景気回復を頓挫させるリスクが存在するかどうかを想定することは困難との見解を示した。

BKアセット・マネジメントのボリス・ショロスバーグ氏は「貿易関税戦争を巡る懸念は基本的に完全に否定された」と指摘。楽観的な証言は年内4回目の利上げの可能性を残したとの見方を示した。

午後の取引で、主要6通貨に対するドル指数は約0.5%高の94.945を付けた。対円でも約0.5%高の1ドル=112.83円と、1月以来の水準となった。

<米・経済指標>
〇6月鉱工業生産(前月比)
-0.1% → 0.6%↑
〇6月設備稼働率
77.9% → 78.0%↑
〇7月NAHB住宅市場指数
68 → 68→
〇パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
〇5月対米証券投資(短期債除く)
939億ドル → 456億ドル↓

【2018.07.18】FX市場

ドルやや高!一時113円まで買われた

前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の113円前半。
一時113.14円まで買われ、半年ぶり高値を更新した。

午後の取引で、主要6通貨に対するドル指数は約0.5%高の94.945を付けた。対円でも約0.5%高の1ドル=112.83円と、1月以来の水準となった。

<米・経済指標>
〇MBA住宅ローン申請指数(前週比)
2.5% → -2.5%↓
〇6月住宅着工件数(年率換算件数)
135万件 → 117.3万件↓
〇6月住宅着工件数(前月比)
5.0% → -12.3%↓
〇6月建設許可件数(年率換算件数)
130.1万件 → 127.3万件↓
〇6月建設許可件数(前月比)
-4.6% → -2.2%↑

【2018.07.19】FX市場

ドル下落!トランプ大統領、強いドルは「米国を不利」と指摘

前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べて小幅ドル高/円安の112円後半。
半年ぶり高値を付けた前日の夕方以降は上昇が一服、もみあいが続いた。

ニューヨーク外為市場では、午後に入りトランプ米大統領が強いドルは米国を不利な立場に置くと述べたと伝わったことで、ドルが下落した。

トランプ大統領はCNBCのインタビューに対し、連邦準備理事会(FRB)の利上げに「満足に感じていない」と語ったほか、強いドルは「米国を不利な立場に置く」とも指摘。「中国人民元は底値を付けている」との見方も示した。

ホワイトハウスはトランプ氏の発言を受け、大統領はFRBの独立性を尊重しており、FRBの政策決定に干渉しないとする声明を発表。ダメージコントロールに努めた。

金利先高感が出ていることでドルは年初から上昇基調にあったが、トランプ氏の今回の発言で潮目が変わる可能性も出てきた。

ING(ロンドン)の外為ストラテジスト、ビライ・パテル氏は「トランプ大統領の米金利と外為市場に関する発言で、ドル高基調は終わりを告げる公算が大きいとみている」と指摘。

コモンウエルス・フォレックスの首席市場アナリスト、オマー・エシナー氏は、トランプ氏のこの日の金利とFRBを巡る発言は、これまでの米大統領が越えることのなかった一線を越えるものだったため意義があると述べた。

テンパスコンサルティング(ワシントン)のシニア外為トレーダー、フアン・ペレス氏は、トランプ氏の発言は「政府機関全体を手詰まり状態に陥れる恐れのある摩擦」を作り出す可能性があると指摘。
「こうしたことは明らかにこの先ドルが軟調になる兆候となる」としている。

トランプ氏は昨年に3回、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対しドルは「強過ぎる」との見解を示しており、ドル高に対する不満を表明したのは今回が初めてではない。

主要6通貨に対するドル指数はこの日の取引で95.652と、約1年ぶりの高水準を付けていたが、トランプ氏の発言を受け一時マイナス圏に入った。ただ終盤の取引では0.1%上昇の95.216となっている。

<米・経済指標>
〇前週分新規失業保険申請件数
21.4万件 → 20.7万件↓
〇7月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
19.9 → 25.7↑
〇6月景気先行指標総合指数(前月比)
0.2% → 0.5%↑

【2018.07.20】FX市場

ドル下げ幅拡大!トランプ米大統領がFRBに懸念で

前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の112円半ば。
人民元安やアジア株安を受けてリスク回避傾向が強まりドルは112円後半から112.20円まで下落したが、日経平均が引けにかけて下げ幅を縮小し中国株が前日比プラス圏に浮上すると、ドル/円にも若干の買い戻しが入った。

ドルが軒並み下落した。
トランプ米大統領がドル高や利上げに改めて不満を表明し、前日に1年ぶり高値を付けた勢いがしぼんだ。

トランプ大統領が、連邦準備理事会(FRB)が年内あと2回の利上げを実施すると懸念しているとCNBCが伝え、午後の取引でドルが下げ幅を拡大した。

トランプ大統領はCNBCのインタビューで、強いドルは「米国を不利な立場に置く」との認識を表明、中国からの輸入品5000億ドルに関税をかけることができるとの見解を示した。

ドル/円は1日としては2月以来の大幅安となった。主要6通貨バスケットに対するドル指数は0.77%安の94.417。前日には95.62まで上昇していた。

貿易に関するトランプ氏のコメントを受け、オフショア市場の人民元が1ドル=6.7784元に上昇した。人民元はドルに対し直近3カ月間で約8%値下がりした。




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【先週の主な動き】

先週は、17日パウエルFRB議長の議会証言とトランプ米大統領の発言が注目を集めた一週間となりました。

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、米経済について前向きな見解を示したほか、貿易を巡る各国の対立が金融引き締めの見通しに与える影響は大きくないとの見解を示しています。

パウエル氏の証言を受け、ドルは対円で6カ月ぶり高値となっています。

また、トランプ政権の通商政策を巡り不透明性が漂っているとの認識を示しつつも、貿易戦争が世界の景気回復を頓挫させるリスクが存在するかどうかを想定することは困難との見解も示しています。

米中貿易摩擦の激化が懸念されている上海総合指数は、2016年1月安値2700ポイントで一旦下げ止まりも見せています。

トランプ米大統領が強いドルは「米国を不利な立場に置く」と述べたと伝わったことで、ドルが高値から111円中盤まで下落する展開となりました。

さて、日足チャートをみると、

先週はパウエルFRB議長の発言で、ドルはさらに上昇する場面もありましたが、後半トランプ米大統領のFRBの批判を受けて、大きく下落する展開となっています。

今後サポートラインを下回るのか、反発し上昇に転じていくのか、注目されます。

さらに上昇する可能性もありますが、高止まりも今後あり得ます。

【来週の主な経済指標発表】

・7/23(月)
3:00 6月中古住宅販売件数(年率換算件数)
23:00 6月中古住宅販売件数(前月比)
・7/24(火)
22:00 5月住宅価格指数(前月比)
22:45 7月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
22:45 7月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
22:45 7月総合購買担当者景気指数(PMI、速報値)
23:00 7月リッチモンド連銀製造業指数
・7/25(水)
20:00 MBA住宅ローン申請指数(前週比)
23:00 6月新築住宅販売件数(年率換算件数)
23:00 6月新築住宅販売件数(前月比)
・7/26(木)
21:30 前週分新規失業保険申請件数
21:30 6月耐久財受注(前月比)
21:30 6月耐久財受注・輸送用機器除く(前月比)
・7/27(金)
21:30 4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)(前期比年率)
23:00 7月ミシガン大学消費者態度指数・確報値

【ドル円の平均ボラティリティ(日足)】

07/16~07/20

・・・76pips




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