【2018.05.20】先週05/14~05/18のFX値動き

先々週発表された4月の消費者物価指数が軟調だったため、FRBの利上げが今年4回になるとの期待が後退しています。
経済指標は、15日には米4月小売売上高、18日は4月全国消費者物価指数が発表されます。
米国債利回りが上昇する中で、アルゼンチン・ペソ、トルコ・リラは急落とした報道があり話題となっています。
ドル/円は200日移動平均線を前に、失速するのか上抜けて上昇していくのか岐路にきています。




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さて先週一週間の動きをみていきましょう。

【2018.05.14】FX市場

ドル4か月ぶり高値!米国債利回りの上昇を受けて

前週ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の109円半ば。
午前から動意に乏しかったものの、緩やかに水準を切り上げた。

ニューヨーク外為市場では、ドルが序盤の下落分を消してプラス圏に浮上した。
ドルは先週4カ月超ぶりの高値を付けたが、投資家はこのドル高相場の勢いが失速したかどうか判断しようとしている。

米国債利回りの上昇を受けて米国と他国の金利差が際立つ中、ドルはこのところ上昇。
ただ、先週発表された4月の米消費者物価指数(CPI)が軟調だったことで、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが今年4回になるとの期待が後退した。

TD証券(トロント)の北米FX戦略部長、マーク・マコーミック氏は、ドル高の勢いがやや陰り始めつつあるとした上で、「市場は現時点で、ドルがさらに上昇するかどうか見極めようとしている」と述べた。

ドル指数は一時、今月2日以来の水準である92.243に下落。その後、0.09%高となる92.619に持ち直した。

ユーロは上昇。欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁が利上げ開始時期について、ECBが新たなガイダンスを示す可能性があると述べたことを受けた。

モルガン・スタンレーの通貨戦略責任者、ハンス・レデカー氏は「双子の赤字は借り入れコストが増えることで民間投資を縮小させ、起こる公算は低いものの大幅な生産性向上がなければ、ドル高継続の可能性も低い」と顧客リポートで指摘した。

市場が注目する今週のイベントは、FRBやECB当局者の講演のほか、15日発表のドイツGDP速報値など。

【2018.05.15】FX市場

ドル高110円台!ストップロスを巻き込み上昇

前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の109円後半。
午前は動意に乏しかったが、午後は米長期金利の上昇に支援されて強含んだ。市場の関心は米国の小売売上高に向かっている。

ニューヨーク外為市場ではドルが上昇。
主要6通貨に対するドル指数が昨年12月以来の高値を付けたほか、対円でも2月初旬以来の高値を付けた。米国債利回りの上昇や小売売上高の増加がドル買いにつながった。

ドル指数は0.63%高の93.173。一時93.457まで値上がりした。ドル/円は0.58%高の110.29円。

コモンウエルスFX(ワシントンDC)の首席市場アナリスト、オマー・エジナー氏は「米国債利回りが全般的に上昇したことや小売売上高が比較的底堅かったことがドル買いを後押しした」と述べた。

10年債利回りは3.095%と節目となる3%を突破し、2011年7月以来の高水準を付ける中、エジナー氏は「利回りが3%を再び超えたことで、高リスク・高利回り資産と比較してドル資産の投資妙味が増した」と指摘。

<米・経済指標>
〇(米) 5月NY連銀製造業景況指数
15.80 → 20.10↑
〇(米) 4月小売売上高 (前月比)
+0.6% → +0.3%↓
〇(米) 4月小売売上高 (前月比:除自動車)
+0.2% → +0.3%↑
〇(米) 3月企業在庫 (前月比)
+0.6% → 0.0%↓
〇(米) 5月NAHB住宅市場指数
69 → 70↑
〇(米) 3月対米証券投資
+490億USD → +618億USD↑

【2018.05.16】FX市場

ドルやや上昇!4月の小売売上高は前月比0.3%増

前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べて小幅ドル安/円高の110円前半。
午前の取引では実需の売買が観測されたが、方向感を形成するには至らなかった。
また、北朝鮮関連の報道や本邦GDPへの反応は限定的だった。

ドルが上昇。
主要6通貨に対するドル指数が昨年12月以来の高値を付けたほか、対円でも2月初旬以来の高値を付けた。米国債利回りの上昇や小売売上高の増加がドル買いにつながった。

さらにユーロ圏や英国の経済指標が予想を下回ったことで「米経済の堅調さが浮き彫りとなり、米連邦準備理事会(FRB)が他の主要中銀よりもかなり速いペースで金融政策の正常化を進めるのではないかとの思惑が広がった」とした。

4月の小売売上高は前月比0.3%増と、前月の0.8%増から伸びが鈍化したものの、プラスを維持し、1・2月の急激な落ち込みから勢いを取り戻しつつある兆候を示唆した。

<米・経済指標>
〇(米) 4月住宅着工件数
131.9万件 → 128.7万件↓
〇(米) 4月建設許可件数
135.4万件 → 135.2万件↓
〇(米) 4月鉱工業生産 (前月比)
+0.5% → +0.7%↑
〇(米) 4月設備稼働率
78.0% → 78.0%→

【2018.05.17】FX市場

ドル110円後半まで上昇!米10年債利回りは一時、約7年ぶり高水準

前日ニューヨーク市場の午後5時時点から小幅上昇し、110円半ば。
円は午前終盤に一時強含む場面もあったが、すぐ反落するなど値動きは限られた。

ニューヨーク外為市場は、ドルが対円で4カ月ぶり水準に急伸した。米国債利回りが上昇し、同国景気の見通しが明るさを増したことをうかがわせた。

米10年債利回りは一時、約7年ぶり高水準となる3.122%を付けた。

利回りの上昇は米国経済への楽観的な見方が根強いことを映し、年内さらに2回以上の米利上げを見込む予想が強まった。

ドルは円に対して一時110.80円と、1月23日以来の高値水準を記録した。直近で0.3%高の110.74円。

ドル指数は0.1%高の93.462と、年初来高値の93.632を下回った。

イタリアで連立協議中の2党が行うとみられている要求への懸念から、ユーロは対ドルで約5カ月ぶり安値に沈んだ。

大衆迎合主義(ポピュリズム)政党「五つ星運動」と極右政党「同盟」が、欧州中央銀行(ECB)に対し、2500億ユーロの債務免除を要請する可能性があるとの見方が出ている。

ユーロは対ドルで1.1798ドルに下げ、前日に付けた年初来安値(1.1763ドル)をやや上回った。

ドル急伸を受け、ユーロはここ3週間で急落。投資家の間には米金利がさらに上昇するとの見方や、他の中銀が金融引き締めを延期するとの声も聞かれた。

こうした背景から、年内のドル安を予想していた投資家がポジションカバーの動きに走り、ドルを一段と押し上げる要因となった。

英国政府が欧州連合(EU)離脱後に関税同盟残留の意向と伝えた報道を否定し、英ポンドは上げ幅を縮小した。

<米・経済指標>
〇(米) 新規失業保険申請件数
21.1万件 → 22.2万件↑
〇(米) 5月フィラデルフィア連銀製造業指数
23.2 → 34.4↑

【2018.05.18】FX市場

やや高ドル!インフレ抑制に向け、追加米利上げを予想する声が

前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べて小幅ドル高/円安の110円後半。
正午過ぎに一瞬111円台に乗せたものの、上昇の勢いは強まらず、午後は110円後半で次の材料待ちとなった。

ドルが一時急伸、イタリア政治を巡る不透明な状況を嫌気しユーロが弱含んだ。

ドル指数は週間で1.2%値上がりし、5営業日連続で上昇した。2月半ば以降では5%上がった。インフレ抑制に向け、追加米利上げを予想する声が広がっている。

スコシア銀行(トロント)の首席外為ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「ドル高は引き続き一時的問題とみている。過度のショートポジションのほか、欧州景気の勢いが鈍化して欧州中央銀行(ECB)が年内に量的緩和を縮小する姿勢を阻害しかねないとの懸念を映している」と話した。

ユーロは対ドルで5週間連続で下落。これは2015年以来。 終盤の取引で、ユーロはドルに対して5カ月ぶり安値の1.1753ドルに下落した。週間で約1.2%値下がりした。

国際通貨基金(IMF)理事会は18日、ワシントンで会合を開き、アルゼンチンの金融支援要請について協議した。

ラガルド専務理事は声明を出し、「ハイアクセス・スタンドバイ取り決め」を巡る、アルゼンチン当局の要請意図について理事会に伝えたと明らかにした。

ラガルド氏は、世界の金融状況が引き締まってきており、同国が著しいボラティリティーに直面しつつあると指摘。同国の経済目標を完全に支持する考えを表明した。




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【先週の主な動き】

先週は、米国債利回りが上昇する中、アルゼンチン・ペソ、トルコ・リアが下落し過去最安値を更新しています。

米金利が上昇すると、アルゼンチン、トルコのようないわゆる新興国は、「輸入も対外債務も大部分がドル建て」という国が少なくありません。
ドルが強くなってくると、自国通貨が減価した場合、支払い返済の負担が重くなってきます。

アルゼンチンがIMF(国際通貨基金)に金融支援要請を行い、IMFは協議を始めています。

ちなみに日本は、円建て借金をしているので、ドルが強くなってもほぼ影響を受けないのが現状です。

来週24日は、FOMC議事録の発表があり、6月に利上げがあるのか注目が集まっています。利上げの回数の見通しが「年4回」に引き上げられれば、さらに米金利が上昇する可能性もあります。

さて、日足チャートをみると、

先週はドル高、円安に動き、110円後半まで上昇しています。
200日移動平均線を上に抜け、レジスタンスラインをさらに超えています。

ここで中期的には、111円の壁が見えてきます。その間、細かい上下はあるものの、予想では111円半ばあたりから失速してくるものと予想しています。

【来週の主な経済指標発表】

・5/22
23:00 (米) 5月リッチモンド連銀製造業指数
・5/23
3:00 (米) 4月新築住宅販売件数
3:00 (米) 4月新築住宅販売件数 (前月比)
27:00 (米) FOMC議事録
・5/24
21:30 (米) 新規失業保険申請件数
22:00 (米) 3月住宅価格指数 (前月比)
23:00 (米) 4月中古住宅販売件数
23:00 (米) 4月中古住宅販売件数 (前月比)
・5/25
21:30 (米) 4月耐久財受注 (前月比)
21:30 (米) 4月耐久財受注 (前月比:除輸送用機器)
23:00 (米) 5月ミシガン大消費者信頼感指数・確報

【ドル円の平均ボラティリティ(日足)】

05/14~05/18

・・・58pips




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