【2018.04.01】先週03/26~03/30のFX値動き
- 2018/04/01
- 為替ニュース
先週はトランプ米大統領が仕掛けてきた「米中貿易戦争」がテーマとなりました。
中国はボーイング機の購入キャンセルや「米国債カード」をちらつけせて、何とか不利益な追加関税に対抗しようとしています。
日本では、学校法人「森友学園」問題で政治的疑惑が拡大すると予想されています。
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さて先週一週間の動きをみていきましょう。
【2018.03.26】FX市場
ドル反発!安全資産とされる円が対ドル下落
前週ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の105円前半。
米中貿易摩擦に対する懸念がドル/円の上値を重くしている。
午前は国内の実需筋や機関投資家などからドル買いがみられたものの、取引が一巡した後は動意に乏しくなった。その後、日経平均がプラス圏で引け、株安の連鎖が一服することに期待感が出たことで、夕刻に入って一時105.16円まで上昇し、きょうの高値を更新した。
安全資産とされる円は対ドルで下落した。ドルは対円で0.62%上昇した。
また、学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る、財務省の決裁文書書き換え問題で関係者の証人喚問を控えるなか、政治疑惑が拡大するとの予想が広がり、ドル/円が上昇したとの見方も聞かれた。
ユーロは対ドルで0.82%高。欧州中央銀行(ECB)次期総裁の有力候補、ドイツ連銀のワイトマン総裁が2019年に利上げする可能性を示唆したことも、ユーロを下支えした。
中国が「米国債カード」をちらつかせている。米通商法301条に基づく対中制裁への対抗措置として、購入減額に含みを持たせる作戦だ。
米国債価格が急落すれば自らも損を被るため、大量売却はありえないとみられている。
しかし、米財政が悪化するなか、短期的な駆け引きの手段として使われる可能性もあるため、市場も気が気ではない。
中国が昨年12月時点で保有する米国債は1兆1849億ドル(約124兆円)と発行残高の約8%を占める。2位は日本で1兆0615億ドル。米国債の発行残高14兆4700億ドルのうち、外国政府の保有は4兆0300億ドルと29%近くに達する。
米国債市場は1500兆円を超える世界最大の市場であり、その器の大きさと流動性の高さから世界中のマネーを引き寄せている。米国は基軸通貨国であり、今のところ、ドルの需要に困ることはない。だが、経常赤字国でもあり、資金を海外から集めないとならないという構造的な「弱さ」も併せ持つ。
トランプ米大統領は22日、年間最大600億ドル相当の中国製品に追加関税を課すと発表した。ターゲットとなった中国は報復関税などに加え、その「弱点」を突いて対抗しようとしているようだ。
【2018.03.27】FX市場
ドルやや下落!米国株が終盤の取引で下落したことを受けて
前日ニューヨーク市場午後5時時点より小高い105円半ば。
ドル指数が5週間ぶりの安値圏を推移する中、ドル/円では円安が進行したものの、トランプ政権では外交面でも通商面でも次の展開がみえないとの声も聞かれ、ドル高/円安の流れも勢いを欠いた。
終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対主要通貨バスケットで上昇した。
通商問題を巡る緊張状態が和らいだほか、月末調整の買いが入った。
ドルは対主要6通貨バスケットで0.38%高の89.364。早い時間帯には一時、5週間ぶり安値(88.942)をつける場面もあった。
みずほの通貨ストラテジストによると、月末の投資資金流入がドル小反発の主因と指摘。オーバーナイトの時間帯に、貿易戦争懸念が幾分収まったもようで、ドルの追い風になったとの見方を示す。
安全資産とみられている円は対ドルで値下がりしたが、米国株が終盤の取引で下落したことに伴い、下げ幅を大きく縮小した。ドルは対円で0.08%高の105.48円。早い時間帯には、105.9円の高値をつける場面もあった。
英ポンドは対ドルで、日中の安値から幾分持ち直したが、1日では約3週間ぶりの大幅安となる見通しだ。
このところ上昇していたが、大型ヘルスケア企業を巡る動きで売り圧力予想が広がり、利益確定売りが出やすかった。
<米・経済指標>
〇(米) 1月S&P/ケースシラー住宅価格指数 (前年比)
+6.30% → +6.40%↑
〇(米) 3月リッチモンド連銀製造業指数
28 → 15↓
〇(米) 3月消費者信頼感指数
130.8 → 127.7↓
【2018.03.28】FX市場
ドルが1週間ぶり高値!貿易戦争懸念が和らいだことで
前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べて小幅ドル高/円安の105円前半。
スポット取引の応答日が月末・期末となるため、午前から実需筋の売り買いが交錯。方向感なく推移した。
ドルが主要通貨バスケットに対して1週間ぶり高値をつけた。貿易戦争懸念が和らいだほか、四半期末を迎えドルに資金が流入した。
主要6通貨バスケットに対するドル指数は0.79%高の90.08。前日につけた5週間ぶり安値(88.942)から1%超上昇した。
交渉で妥協に至るとの期待を背景に、全面的な貿易戦争突入に対する懸念が和らいだ。
コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの首席市場ストラテジスト、オマー・エシナー氏は「貿易戦争突入への全般的な不安がやや収まりつつある」と指摘。安全資産とされる通貨買いがある程度一服しているとの見方を示す。
ドルは対円で1.41%高、対スイスフランで1.07%値上がりした。
2017年第4・四半期の米国内総生産(GDP)確報値が上方改定されたことも、ドルの追い風となった。
<米・経済指標>
〇(米) 2月卸売在庫 (前月比)
+0.8% → +1.1%↑
〇(米) 10-12月期GDP・確報 (前期比年率)
+2.5% → +2.9%↑
〇(米) 10-12月期個人消費・確報 (前期比年率)
+3.8% → +4.0%↑
〇(米) 10-12月期GDPデフレーター・確報 (前期比年率)
+2.3% → +2.3%→
〇(米) 10-12月期コアPCEデフレーター・確報 (前期比年率)
+1.9% → +1.9%→
〇(米) 2月中古住宅販売保留件数指数 (前月比)
-4.7% → +3.1%↑
【2018.03.29】FX市場
ドル前日から下落!イースター休暇を控え利確売りで低調
前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてややドル安/円高の106円半ば。
ドルは朝方一時107円に迫ったものの、月末の輸出勢の売りに上値を抑えられた。
イースター休暇を控えた海外短期筋の利益確定売りにも押され、106円前半まで反落した。
ドルが対主要通貨バスケットで小動きとなった。復活祭(イースター)休暇を控え取引が低調で、このところの勢いが無くなった。
主要6通貨に対するドル指数はほぼ横ばいの90.062。四半期では2%強値下がりし、5四半期連続の下落となった。
月末、四半期末のポジション調整などに伴い、前日は1週間ぶり高値をつけていた。
ドルは対円で0.33%安。前日までの2営業日で1.4%値上がりしていた。
ドイツの失業指標が予想を上回る内容となり、ユーロは対ドルで上昇した。だが上げを維持できず、直近ではほぼ変わらず。
英ポンドは小幅安。良好な景気指標が出たものの、四半期末のポジション調整の動きが重しとなった。ただ、四半期では対ドルで約3年ぶりの大幅高となる勢いだ。
<米・経済指標>
〇(米) 新規失業保険申請件数
22.9万件 → 21.5万件↓
〇(米) 2月コアPCEデフレーター (前月比)
+0.3% → +0.2%↓
〇(米) 2月コアPCEデフレーター (前年比)
+1.5% → +1.6%↑
〇(米) 2月個人所得 (前月比)
+0.4% → +0.4%→
〇(米) 2月個人消費支出 (前月比)
+0.2% → +0.2%→
〇(米) 3月シカゴ購買部協会景気指数
61.9 → 57.4↓
〇(米) 3月ミシガン大消費者信頼感指数・確報
102.0 → 101.4↓
【2018.03.30】FX市場
ドル下落!アジア市場グッドフライデーで休場でショートカバー
前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の106円前半。
主要なアジア市場がグッドフライデーで休場となっており、参加者が少なかった。週末・期末も重なり、動意に乏しい展開となった。
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【先週の主な動き】
先週トランプ米大統領の鉄鋼・アルミニウム関税導入で各国が反発する中で、とりわけ中国は、「米国債カード」をちらつかせています。
これは米通商法301条に基づく対抗措置として、関税導入に対しての反発しているもとなります。
中国が保有する12月時点での米国債は14兆4700億ドルにもなっており、2位は日本の1兆ドルとなっています。
米国債を大量に売りに出た場合、米国は資金が成り立たなくなってしまうわけです。
資金を海外から調達している米国では、構造的な「弱さ」も併せ持っています。
そこでトランプ米大統領は、関税に関して「交渉カード」に切り替えてきました。
交渉で妥協に至る期待を背景に、貿易戦争は幾分和らいだことを受けて、ドルは反発し上昇する展開となっています。
ドルが上昇した要因の一つは、四半期末を迎えドルに資金が流入したことも影響しています。
また2017年第4・四半期に米国内総生産(GDP)が上方改定されたことも、ドルの追い風となっています。
日本では、学校法人「森友学園」問題で、佐川氏の証人喚問もありましたが、海外市場では、あまり注目するこもありませんでした。
やはり新しい展開もなかったことで、海外市場では軽視しているようです。
さて、日足チャートをみると、
先週は105円前半から反発し、106円前半まで上昇する展開となりました。
貿易戦争に関して幾分和らいだことで、機関投資家の買いが流入したようです。
今度は106円を超えたあたりから、106円前後がサポートして今後機能していくのかが、注目されるポイントなるでしょう。
【来週の主な経済指標発表】
・4/2
23:00 (米) 3月ISM製造業景況指数
23:00 (米) 2月建設支出 (前月比)
・4/4
21:15 (米) 3月ADP全国雇用者数
23:00 (米) 3月ISM非製造業景況指数
23:00 (米) 2月製造業受注指数 (前月比)
・4/5
20:30 (米) 3月チャレンジャー人員削減予定数 (前年比)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数
21:30 (米) 2月貿易収支
・4/6
21:30 (米) 3月非農業部門雇用者数
21:30 (米) 3月失業率
21:30 (米) 3月平均時給 (前月比)
28:00 (米) 2月消費者信用残高
【ドル円の平均ボラティリティ(日足)】
03/26~03/30
・・・84pips
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