【2018.03.11】先週03/05~03/09のFX値動き
- 2018/03/11
- 為替ニュース
先々週は、トランプ米大統領が鉄鋼、アルミニウムに対する輸入に高い関税をかけると発言したことを受けて、ドル売り円買いとなりました。
また北朝鮮が非核化に向けて米国との対話する意向があると韓国側が表明しています。
先週どこまで、為替に影響を与えたのか探る一週間となりました。
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さて先週一週間の動きをみていきましょう。
【2018.03.05】FX市場
ドル上昇!トランプ米大統領の貿易戦争不安和らぐ
前週ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の105円前半。
早朝の取引で一時ユーロが買われたが、戻り売りで一気に急落するなど荒い値動きとなった。夕刻に入って、ユーロはまた荒っぽい動きになっている。
イタリア総選挙結果を受けて売りが出る場面もあったが、ドイツで連立政権が発足する見通しとなり、政局を巡る不透明感が和らいだ。
ドルは対円で上昇した。市場関係者らによると、トランプ米大統領の鉄鋼・アルミ関税方針表明に端を発する貿易戦争不安が和らぎ、安全資産とされる円に売りが出た。
ユーロ圏経済の底堅さに対する投資家の見方が、選挙結果で変わらなかったとの見方が広がる。
市場の関心は9日公表予定の米雇用統計や、今週開催の4主要中銀会合に移るとみられる。
<米・経済指標>
〇(米) 2月ISM非製造業景況指数
59.9 → 59.5↓
【2018.03.06】FX市場
ドル前日とほぼ同水準!北朝鮮が非核化に向けて米国と対話意向
前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の106円前半。
午前の取引では、実需のドル買いやユーロ/円での円売りの勢いに支援されドルは106円半ばに強含んだが、ユーロ/円の買い戻しが失速するとドル/円も平仄(ひょうそく )を合わせて反落した。
黒田日銀総裁の発言が伝わったが、新味に欠けるなどとしてネガティブな意見が目立った。
ドルが主要通貨に対して下落、対円では一時105円台後半まで値下がりした。北朝鮮は非核化に向け米国と対話する意向があると韓国側が表明したことで、リスク選好の動きが広がる中、豪ドルやニュージーランドドル、韓国ウォンなどが買われた。
ただ、「米国と貿易相手国との間で今後、貿易摩擦が強まる恐れもあることから、全面的に買いを入れるにはまだ早過ぎる」(コモンウエルスFXのオマー・エジナー氏)などと、警戒する声も聞かれた。
市場では8日の欧州中央銀行(ECB)理事会や9日の日銀政策決定会合の行方が注目されている。
<米・経済指標>
〇(米) 1月製造業受注指数 (前月比)
+1.7% → -1.4%↓
【2018.03.07】FX市場
ドル下落!国家経済会議(NEC)のコーン委員長辞任を受け
前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の105円後半。
朝方にコーン米国家経済会議(NEC)委員長の辞任報道で下落した後、戻りが鈍かった。
ドルが対主要通貨バスケットでほぼ変わらずとなった。
ホワイトハウスのサンダース報道官は、鉄鋼とアルミニウムに対する輸入関税について、カナダとメキシコなどの国が適用を除外される可能性があると説明した。
これを受け、終盤の取引でドルが上げ幅を縮小し、カナダドルとメキシコペソは対米ド
ルで下げ幅を縮小した。
国家経済会議(NEC)のコーン委員長辞任を受け、この日の早い時間帯にドルは軟調に推移した。
その後、米民間雇用や労働コスト関連指標が、国内景気の底堅さを改めて印象付ける内容と受け止められ、ドルの押し上げ材料となった。しかし1月の米貿易赤字が予想以上に拡大し、これら指標の押し上げ効果が薄らいだ。
アナリストらによると、世界貿易の悪化を巡る不安を背景に、一部トレーダーが安全資産として円を買う意欲を見せ、ドルの上値は重かった。
<米・経済指標>
〇(米) 2月ADP全国雇用者数
+23.4万人 → +23.5万人↑
〇(米) 1月貿易収支 -531.0億USD
(-539.0億USD) → -566.0億USD↓
〇(米) 10-12月期非農業部門労働生産性・確報 (前期比年率)
-0.1% → 0.0%↑
〇(米) 10-12月期単位労働コスト・確報 (前期比年率)
+2.0% → +2.5%↑
〇(米) 1月消費者信用残高
+184.47億USD → +139.06億USD↓
【2018.03.08】FX市場
ドルやや戻し!FRB発表の家計純資産増加に伴い
前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べて小幅ドル安/円高の105円後半。
市場の関心は、早ければ今夜にも明らかになる鉄鋼とアルミニウムに関する米関税措置の詳細に集中。世界的な貿易戦争に突入するのか、固唾をのんで見守っている状況だ。
米連邦準備理事会(FRB)が発表した2017年第4・四半期の家計純資産は98兆7000億ドルで、前四半期の96兆7000億ドル(下方改定)から増加した。株式や不動産価格の値上がりが押し上げ要因となった。
家計債務の伸び率は年率5.2%と、前四半期の3.5%から拡大。消費者信用の伸びは7.8%と、前四半期の3.6%の約2倍となった。
ユーロが下落した。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が域内の成長加速を認めつつ、インフレが引き続き抑制的で保護主義の高まりがリスクとの認識を示し、材料視された。
<米・経済指標>
〇(米) 2月チャレンジャー人員削減予定数 (前年比)
-2.8% → -4.3%↓
〇(米) 新規失業保険申請件数
21.0万件 → 23.1万件↑
【2018.03.09】FX市場
ドル上昇106円後半!日・黒田総裁、保護主義リスクとなるとの見方
前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の106円後半。
一時106.94円まで上昇し、今月1日の海外市場以来1週間ぶりの高値をつけた。
米国の輸入制限措置が懸念されたほど強硬なものではなかったこ、米朝首脳会談の開催方針が明らかになったことなどを受け、ドル買いと円売りが同時に進んだ。
米雇用統計で賃金の伸びが鈍化したことで利上げペースは加速しないとの観測が広がり、主要6通貨に対するドル指数はほぼ横ばいとなった。
終盤の取引でドル指数は0.038ポイント(0.04%)低下の90.141となっている。
ユーロ/ドルは0.03%安の1.2306ドル。ユーロは前日、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が理事会後の記者会見で、ユーロ圏のインフレはなお抑制されているとの認識を示したほか、保護主義の台頭はリスクとなるとの見方を示したことで下
落していた。
円は広範な通貨に対し下落。
日銀の黒田東彦総裁が9日の金融政策決定会合後の記者会見で、物価が上昇すれば緩和度合いは変わらないと説明する形での金利引き上げはあり得るものの、「現時点では検討していない」と説明したことが重しとなった。
黒田総裁はECBのドラギ総裁と同様、保護主義の台頭のリスクについても言及している。
トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の申し出に応じ、5月までに初会談を行う意向を示したことが伝わったことで、安全通貨としての円を手放す動きが出たことも、円の下落につながった。
終盤の取引でドル/円は0.57%高の106.81円。ドルは円に対し一時は1週間ぶりの高値を付けた。ユーロ/円は0.54%高の131.46円となっている。
欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのレーン・アイルランド中銀総裁は9日、ECBの現行の政策は限界に近づきつつあるとの認識を示し、ユーロ圏経済を巡る一段の情報を入手し次第、ECBは次の一手を明らかにしていくとの見方を示した。
レーン総裁はダブリンで記者団に対し、「今後の理事会では明らかに、より多くの情報が入手される。ECBの現行の政策は限界に近づきつつあるため、次に何を行うのか、より多くのコミュニケーションをとることになる」と述べた。
ECBは前日の理事会で政策金利は維持したものの、必要なら債券買い入れ規模を拡大するとする「緩和バイアス」を撤回し、量的緩和の解除に向けた手続きを小幅ながら一歩前に進めた。
同理事会でECBの次の重要な動きの時期について何か示唆するものはあったかとの記者団の質問に対しては、理事会は「規律的な組織である」と述べ、明確に答えなかった。
<米・経済指標>
〇(米) 2月非農業部門雇用者数
+20.0万人 → +31.3万人↑
〇(米) 2月失業率
4.1% → 4.1%→
〇(米) 2月平均時給 (前月比)
+0.3% → +0.1%↓
〇(米) 1月卸売売上高 (前月比)
+1.2% → -1.1%↓
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【先週の主な動き】
先週は前週に引き続き、トランプ米大統領の鉄鋼・アルミニウム関税方針表明による影響で、為替に大きな影響をきたしています。
また、北朝鮮が非核化に向けて米朝会談を行う意向があると韓国側に伝えています。
1月の貿易赤字が予想以上に拡大する中で、トランプ米大統領が高い関税を課すことを表明していますが、実現すれば自動販売機では最近アルミニウムを使った飲料水が多いので、値上げの対象になりそうです。
カナダやメキシコなどの国が適用を除外される可能性もあるとしていますが、日本は適用除外されていません。
そんな中で税制改革を主導し、鉄鋼・アルミニウム関税に反対していた国家経済会議(NEC)のコーン委員長辞任すると報道があり、リスクオフとなっています。
どうもトランプ米大統領は、自分の意見に反対するものは、切り捨てていく傾向にあるようです。
日銀・黒田総裁が9日の金融政策決定会合後の記者会見で、「金利引き上げはあり得るものの、現時点は検討していない」ことを説明したことを受けて、円買いになっています。
「物価上昇2%を継続する」ことも言っていますが、どうも日本もECBと同様に、根拠のない発言で市場を混乱させているような気がします。
300兆円以上もの国債買いを行っても、物価上昇するどころか、デフレに戻っているのが現実です。日本はインフレについての対処はできるものの、デフレについての対処は皆無に近いのではと思われます。金融緩和だけでは、無理そうです。
さて、日足チャートをみると、
どうにかフィボナッチの105円前半のラインから反発しています。
ここでフィボナッチのラインを一時的に下げて、尚も下がると見せかけて、上昇に転じることも起こりえるので、重要なラインについては気を付けた方がよいでしょう。
今チャートの形しては、ダブルボトムを形成しつつあります。直近高値を超えれば確定となりますが、上にはいくつかレジスタンスラインが存在しているので、上がるのも一苦労といったところでしょう。
下降期間が長いため、あと一回ボトムを形成する可能性もあります。
【来週の主な経済指標発表】
・3/13
21:30 (米) 2月消費者物価指数 (前月比)
21:30 (米) 2月消費者物価指数 (コア:前月比)
21:30 (米) 2月消費者物価指数 (前年比)
21:30 (米) 2月消費者物価指数 (コア:前年
・3/14
21:30 (米) 2月小売売上高 (前月比)
21:30 (米) 2月小売売上高 (前月比:除自動車)
21:30 (米) 2月生産者物価指数 (前月比)
21:30(米) 2月生産者物価指数 (コア:前月比)
21:30(米) 2月生産者物価指数 (前年比)
21:30(米) 2月生産者物価指数 (コア:前年比)
23:00 (米) 1月企業在庫 (前月比)
・3/15
21:30 (米) 3月NY連銀製造業景況指数
21:30 (米) 新規失業保険申請件数
21:30 (米) 3月フィラデルフィア連銀製造業指数
21:30 (米) 2月輸入物価指数 (前月比)
23:00 (米) 3月NAHB住宅市場指数
29:00 (米) 1月対米証券投資
・3/16
21:30 (米) 2月住宅着工件数
21:30 (米) 2月建設許可件数
22:15 (米) 2月鉱工業生産 (前月比)
22:15 (米) 2月設備稼働率
23:00 (米) 3月ミシガン大消費者信頼感指数・速報
【ドル円の平均ボラティリティ(日足)】
03/05~03/09
・・・71pips
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