【2017.09.10】先週09/04~09/08のFX値動き
- 2017/09/10
- 為替ニュース
先週は北朝鮮の6回目の核実験が成功したとの報道を受け、為替にどう影響したのか。今後の展開が気になります。
7日には、ECB金融政策・ドラギ総裁の会見が今週一番の注目となりました。
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さて先週一週間の動きをみていきましょう。
【2017.09.04】FX市場
ドル/円109円前半まで下落!北朝鮮の水爆実験の報道で
ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の109円半ば。
北朝鮮が3日に核実験を行ったことを受けて早朝には109円前半に下落したが、その後切り返し、109円後半に持ち直した。
核実験の材料消化が進んだ後は、軟調な日経平均を眺めて伸び悩んだ。その後、夕刻に入って、ドル/円には再び下押し圧力がかかった。
欧州外為市場ではドルが幅広い通貨に対し下落し、ドル指数が2年半ぶりの低水準に迫るなか、ユーロがこのところの力強い地合いを維持した。
ソシエテ・ジェネラル(ロンドン)の外為ストラテジスト、アルビン・タン氏は「ドルの幅広い通貨に対する下落が市場の大きな流れとなっており、ドルの短期的な見通しは思わしくない」としている。
北朝鮮は3日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載する水爆の実験に成功したと発表。
これを受け米国のマティス国防長官は「米国やグアムを含む米国領土、あるいは米国の同盟国へのいかなる脅威にも大規模な軍事措置で対応する」とし、その措置は「効果的かつ圧倒的」なものとなると警告した。
これを受け、円とスイスフランが対ドルで上昇。海外市場で取引される中国人民元もこの日の取引で対ドルで約1年3カ月ぶりの高値を付けた。
ユーロは対ドルで約0.5%高の1.19ドルと、8月29日に付けた2年半ぶり高値に近い水準で推移している。
今週は欧州中央銀行(ECB)理事会会合を控えるなか、ユーロが力強さを維持していることは意外感をもって受けとめられている。
ただこの日は米金融市場などがレーバーデーの祝日のため休場となっており、連休明けは週内にECBのほか、カナダ中銀、オーストラリア中銀も政策決定会合を控えていることから、ユーロ高の動きは朝方の取引以降は収束しつつある。
ドル指数は0.3%下落の92.56と、前週に付けた2年半ぶりの低水準に迫った。
【2017.09.05】FX市場
ドル安108円後半!FRB利上げ慎重の考え示唆
欧州時間終盤時点に比べてドル安/円高の109円半ば。
朝方に109円後半まで上昇したが、その後は北朝鮮を巡る緊迫感を受けて株安が進行。リスク回避の円買いが広がった。午後の戻りも鈍かった。
ドルが安全通貨とされる円に対し大きく下落した。
週末に核実験を実施した北朝鮮を巡る懸念のほか、米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事が低インフレに言及し、FRBは物価が上向いていると確信を持てるまで利上げに慎重になる必要があるとの考えを示したことが背景。
ドル/円は終盤の取引までに1%安の108.65円まで下落し、8月29日以来の安値をつけた。
クレディ・アグリコルの外為ストラテジスト、ワシーリー・セレブリアコフ氏は「リスク回避の傾向が強くなっており、その大部分は北朝鮮問題に起因する」と分析した。
米格付会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)グローバルのチーフエコノミスト、ポール・シェアード氏は、日銀が昨年9月に導入したイールドカーブ・コントロール(YCC)政策は、革新的でエレガントな枠組みと述べ、量的・質的金融緩和(QQE)を含め、デフレ圧力の緩和に一定の効果を上げていると評価した。
もっとも、日本の物価の動きは非常に鈍いとし、積極的な金融緩和の継続が重要と指摘。2019年10月に予定されている消費税率の再引き上げをリスクに挙げ、消費増税は物価2%目標の実現を前提にすべきと語った。
<米・経済指標>
○米・製造業受注(前月比)
3.0% → -3.3%↓
【2017.09.06】FX市場
ドル/円108円後半まで持ち直し!債務上限引き上げで
前日のニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ややドル安/ 円高の108.77/79円だった。
朝方の取引では、海外市場でのドル売り/円買いの流れを引き継いで一時108.50円まで下落した。
株価が下げを縮小したことでいったん持ち直す場面もあったが、午後にかけては方向感を欠き、108円半ばから後半での小動きが続いた。
ドル108円半ばで下げ渋り、欧州株はマイナス圏
ドル/円は108.72円付近でもみ合っている。欧州時間序盤に下押しが強まったが108.505円で下げ渋った。
その後は切り返し、一時108.84円に持ち直した。「(108.50円を)下抜けできなかったことで、ひとまず買い戻しが強まったようだ」(国内金融機関)との見方が出ていた。独DAXや仏CACといった欧州の主要株価指数は安く始まった後、じりじりと下げを縮めている。
トランプ米大統領が米債務上限を3カ月引き上げる民主党案に支持を表明したことを受け、ドル/円は上昇した。
ドル/円は一時は8日ぶり安値の108.47円をつけていたものの、債務上限引き上げを巡るニュースが伝わったことを受けて切り返した。
米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は6日、トランプ米大統領に送付した書簡で、10月13日ごろに辞任する考えを伝えた。
辞任の理由については、「一身上の都合」としているが、金融機関への規制を緩和する方針を掲げるトランプ氏との路線の違いなどが理由との見方がある。
フィッシャー副議長の辞任により、FRB内で金融政策を決める投票権を持っている議長・副議長ら理事7人のうち、4人が欠員となる。
為替市場ではリスク回避の円買い、商品市場ではリスク回避の金買いとなっています。
米ドルは、FRBブレイナード理事ハト派発言を受け軟調。米12月利上げ観測が後退しています。
ドル円は再び108円台半ばまで下落。
<米・経済指標>
○米・貿易収支
-436.0億ドル → -437.0億ドル↑
○米・ISM非製造業景況指数5
3.9 → 55.3↑
【2017.09.07】FX市場
ドル急落!前日・FRBのフィッシャー副議長の辞任を受けて
ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の109円付近。
米債務上限引き上げ問題に対する過度な懸念は後退したものの、北朝鮮リスクに加え、米連邦準備理事会(FRB)のフィッシャー副議長が任期途中の来月辞任することで年内利上げを巡る不透明感も意識され、じり安の展開となった。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は7日(日本時間同日夜)、定例の理事会後に記者会見し、現在の大規模な量的緩和策の変更を10月にも決定する考えを示した。
ユーロ圏の景気回復が進み、物価も上昇基調にあるためで、2018年以降、緩和規模を段階的に縮小する。
世界的な金融危機を受け日米欧は大規模緩和に踏み切ったが、米国に続き欧州も「正常化」に向かうことで、日本の金融政策との違いが鮮明になる。
<米・経済指標>
○米・新規失業保険申請件数(前週分)
24.5万件 → 29.8万件↑
【2017.09.08】FX市場
ドル/円108円割れ!前日のECB・金融緩和が影響
ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の107円後半。
午後の相場が薄い中、108円割れを目指した短期筋の仕掛け売りが成功。一時107円半ばまで下落した。
ニューヨーク外為市場では、年内の米追加利上げ観測が後退する中、ドルが主要6通貨バスケットに対し約2年半ぶりの安値を更新。ユーロも対ドルで数年ぶり高値を更新。
前日開催された欧州中央銀行(ECB)理事会が引き続き材料視された。
ニューヨーク連銀のダドリー総裁は7日、米連邦準備理事会(FRB)は緩やかな利上げを続けるべきとの見解を示した。ただ、弱い物価指標を受け、これまでよりもややタカ派色は弱めだった。
ダドリー総裁の発言を踏まえ、ドルの需要は後退。ドル/円は一時107.33円と、約10カ月ぶりの安値をつけた。
米南部に接近中のハリケーン「イルマ」の米経済への短期的影響をめぐる不安もドルを圧迫したとアナリストは指摘した。週足では2.
2%下落する見通しで、約13カ月ぶりの大幅な下げとなる勢い。
ドル/円JPY=が年初来安値を割り込み、2016年11月以来となる107円台を付けた。地政学リスクと米長期金利の低下を背景とした短期筋によるドル売りの勢いが増している。
ただ、米長期金利上昇シナリオを捨てず、ドルの下値を丹念に拾う国内実需筋もいる。
北朝鮮リスク次第では水準が大きく動く可能性もあるが、9月期末や17年度下期以降に本邦勢のドル需要が下支える展開もありそうだ。
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【先週の主な動き】
先週3つの大きなニュースがあり、それによりドルのリスク回避する要因となりました。
一つは、北朝鮮の6回目の核実験を行い、緊迫した情勢となっています。これを受けて北朝鮮の石油の輸出を全面禁止する処置がとられています。
もう一つは、米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長の突然の辞任となりました。報道ではトランプ氏との路線の違いが原因という味方が広がっています。
これにより、新たな理事の選任を通じて、トランプ氏のFRBに対する影響力を強めることになりそうです。
最後の一つは、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は7日、定例の理事会後に記者会見し、現在の大規模な量的緩和策の変更を10月にも決定する考えを示しています。
これにより金融緩和を段階的に縮小することになり、さらにユーロ高となっていくことは必須となります。
この欧州のドラギ総裁の発言で気をつけなければいけないのでが、発表しても必ず実施されるわけではないということです。
昔からドラギ総裁の発言には、気を付けた方が良いということになります。
尚、米国における債務上限引き上げが採決されましたが、ハリケーンの影響で、復興予算の抱き合わせから、3カ月延長で合意となっています。
オバマ政権のときに、この債務引き上げ問題について、ギリギリの期限で採決されたこともありました。
さて、日足チャートをみると、
北朝鮮の核実験問題、FRB副議長の辞任、ECBの金融緩和の縮小などを受けて、ドルは急落する展開となりました。
ドル/円は、デッドラインである108円を割り込み、107円後半となっています。
こうなってくると、日足では今後の展開を予想できない状況で、月足でみていくしかないことになってきます。
月足では、200日移動平均線を下回り、下限は105円前半となり、今後さらに下げが予想された場合となってきます。
これはドル安が進行したときのシナリオで、ドルが反発した場合は、108円を超えるかが一つのカギとなりそうです。
突然のネガティブなサプライズには、十分気をつけましょう。
上昇する場合は、徐々に上昇していきますが、ネガティブなサプライズは急落を伴うので。
今ネガティブ・サプライの要因の一つは、北朝鮮問題となります。
【来週の主な経済指標発表】
・09/13
21:30 米・生産者物価指数(コア)(前月比/前年比)
21:30 米・生産者物価指数(前月比/前年比)
・09/14
21:30 米・消費者物価指数(コア)(前月比/前年比)
21:30 米・消費者物価指数(前月比/前年比)
21:30 米・新規失業保険申請件数(前週分)
・09/15
21:30 米・NY連銀製造業景気指数
22:15 米・設備稼働率
22:15 米・鉱工業生産(前月比)
23:00 米・ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
【ドル円の平均ボラティリティ(日足)】
09/04~09/08
・・・102pips
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