【2019.07.21】先週07/15~07/19のFX値動き

先週は、トランプ米大統領が月初に投稿した「米国が中国や欧州による為替操作に対抗すべき」というツイートを巡る懸念の中、IMFやNY連銀が異例の発表をしました。

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さて先週一週間の動きをみていきましょう。

【2019.07.15】FX市場

ドルが小幅高!FRBの金融政策に目が離せない状況

日本では、祝日のため休信

終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが小幅高で推移、全般的に薄商いの中、連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が引き続き相場の重しとなった。

市場は現時点で7月と9月の利下げを見込んでいるが、ウエスタン・ユニオンのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「(今月の)0.25%利下げは完全に織り込まれているほか、0.50%利下げも2割程度織り込まれている」とした上で、今週の指標内容に注目していると述べた。

今週は16日に小売売上高と鉱工業生産が発表されるほか、17日には地区連銀経済報告(ベージュブック)も公表される。

FRBに加え、欧州中央銀行(ECB)の金融政策からも目が離せない。
来週のECBではハト派的な姿勢が表明される見通しで、利下げは9月になると予想されている。FRBやECBがともにハト派に傾く中で、ユーロ/ドルはこれまで狭いレンジでの動きにとどまっている。

主要6通貨に対するドル指数は0.2%高の96.956。ドル/円は107.91円と横ばい。ユーロ/ドルは小幅安の1.1255ドル。

仮想通貨のビットコインは約7%高の1万0941ドル。ムニューシン米財務長官は15日、フェイスブックの仮想通貨(暗号資産)「リブラ」に資金洗浄の予防策が必要との考えを示した。ただ具体的な規制策には触れなかったことで上昇を維持したと
いう。

<米・経済指標>
〇7月ニューヨーク連銀製造業景気指数
 -8.6 → 4.3↑

【2019.07.16】FX市場

ドル上昇!ドル指数は一時4営業日ぶりの高値

前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の108円前半。
連休明けもドルは売買が交錯、値動きの乏しい展開が続いた。

終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対通貨バスケットで上昇した。
6月の米小売売上高が市場予想を上回り、国内景気不安が和らいだほか、月内の大幅利下げ予想も後退。
ドイツの景気期待指数悪化を受け、ドルはユーロに対しても上昇した。

終盤の取引で、ドル指数は0.48%高の97.395。
一時4営業日ぶりの高値となる97.438を付けた。

米商務省が発表した6月の小売売上高は前月比0.4%増と、市場予想の0.1%増を上回った。

ドイツの欧州経済センター(ZEW)が発表した7月の独ZEW景気期待指数はマイナス24.5と、市場予想のマイナス22.3を下回った。6月の同指数はマイナス21.1だった。

ユーロ圏の景気が低迷しているとして、トレーダーらは欧州中央銀行(ECB)も年内に利下げに動くとみている。

ユーロは英ポンドに対しては0.44%高の90.345ペンス。早い時間帯には6カ月ぶりの高値(90.47ペンス)を記録する場面もあった。

英国の次期首相の座を競うボリス・ジョンソン氏とジェレミー・ハント外相が15日、メイ首相の離脱協定案に盛り込れたアイルランドとの国境問題に関する安全策(バックストップ)について、期限が設定されても受け入れない意向を示した。
これを受け、合意なき英欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)のリスクが急上昇した。

国際通貨基金(IMF)のリプトン専務理事代行は16日、IMFには中国などの国々の台頭やフィンテック(金融技術)などへの順応が必要との考えを示した。

同氏はブレトンウッズ機関の75周年記念会の席で、欧州中央銀行(ECB)総裁に指名されたラガルド専務理事に代わって演説。
「経済活動の中心は今後数十年で移行し、新しい金融センターが重要性を増すことになる。
また新たな準備通貨がいずれ出現するかもしれない」と語った。

<米・経済指標>
〇6月輸入物価指数(前月比)
 -0.3% → -0.9%↓
〇6月輸出物価指数(前月比)
 -0.2% → -0.7%↓
〇6月小売売上高(前月比)
 0.5% → 0.4%↓
〇6月小売売上高(除自動車)(前月比)
 0.5% → 0.4%↓
〇6月鉱工業生産(前月比)
 0.4% → 0.0%↓
〇6月設備稼働率
 78.1% → 77.9%↓
〇7月NAHB住宅市場指数
 64 → 65↑
〇5月企業在庫(前月比)
 0.5% → 0.3%↓
〇パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
〇5月対米証券投資
 -78億ドル → 329億ドル↑
〇5月対米証券投資(短期債除く)
 469億ドル → 35億ドル↓

【2019.07.17】FX市場

ドルが全面安!米利下げ期待を背景に米債利回りの低下

前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の108円前半。
朝方の取引では日米貿易交渉に対する期待感からドルがじわじわと買われる場面があったが、日本や中国の株価が下落したことや、堅調な米小売売上高を受けて前日持ち直した米長期金利が反落に転じたことなどを受け、ドルの上値は重くなった。

ニューヨーク外為市場ではドルが全面安。米利下げ期待を背景とした米債利回りの低下に追随した。

TIAA銀ワールドマーケッツ部門のクリス・ガフニー社長は「市場は利下げを織り込み、ドルを圧迫した」と述べた。

CMEグループのフェドウォッチによると、金利先物市場では30―31日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で少なくとも0.25ポイントの利下げが実施されるとの予想が完全に織り込まれた。

国際通貨基金(IMF)がこの日、年次の「対外部門の安定性に関する報告書」を公表し、ドルについて短期のファンダメンタルズに基づき6─12%過大評価されているとの見解を示したことも、ドルへの下押し圧力となった。

また、トランプ大統領が月初に投稿した「米国が中国や欧州による為替操作に対抗すべき」というツイートを巡る懸念もくすぶっているとも指摘された。

英国の欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」が懸念される中、ポンド/ドルはオーバーナイト取引で27カ月ぶり安値を付けた。
しかしその後は上げに転じ、1.2433ドル近辺を推移した。

国際通貨基金(IMF)は17日、年次の「対外部門の安定性に関する報告書」を公表した。
ドルについては短期のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に基づき6─12%過大評価されているとの見解を示した。一方、ユーロや円、人民元は基礎的条件に沿った水準だとした。

トランプ米大統領は、ドル高が米輸出の弊害になっていると主張。欧州連合(EU)や中国の政策について、通貨安を誘導していると非難している。

報告書は、経常黒字がユーロ圏のほかシンガポールなど他の先進国に引き続き集中しており、その一方で米国や英国、新興国では経常赤字が続いていると指摘した。

報復関税の応酬ではなく、黒字国と赤字国ともに改めて貿易自由化に取り組み、ルールに基づいた多国間貿易システムを強化すべきだと訴えた。

その上で、「貿易摩擦の激化や無秩序な英EU離脱、それに伴うさらなる世界経済への余波やリスク回避が、外需と海外からの資金に大きく依存する他国経済に影響を与える恐れがある」と指摘した。

また、米英などの赤字国は成長に配慮したやり方で歳出を抑制すべきだとし、ドイツやオランダ、韓国など大幅な黒字国は公共インフラ投資を増やし、過剰な貯蓄を抑えるべきだと促した。

人民元はおおむね基礎的条件に沿っているが、中国政府の政策見通しが不透明なため、評価に大きな幅が出るとした。
IMFのゴピナート主任エコノミストは記者団に対し「すべての国が貿易をゆがめる政策を回避することが必要。関税の引き上げは消費者負担を増やし、世界貿易や投資、経済成長を圧迫するほか、サプライチェーン(供給網)の障害にもなる」と述べた。

<米・経済指標>
〇6月住宅着工件数(年率換算件数)
 126.9万件 → 125.3万件↓
〇6月住宅着工件数(前月比)
 -0.9% → -0.9%→
〇6月建設許可件数(年率換算件数)
 129.4万件 → 122.0万件↓
〇6月建設許可件数(前月比)
 0.3% → -6.1%↓
〇米地区連銀経済報告(ベージュブック)

【2019.07.18】FX市場

ドル大幅下げ!NY連銀ウィリアムズ総裁のハト派発言によって

前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の107円後半。
株価の大幅安や米長期金利の続落でドルは2週間ぶり安値をつけた。米中通商交渉に対する懸念も改めて意識され、上値が重くなった。

ニューヨーク外為市場ではドルが全面安。米利下げ期待を背景とした米債利回りの低下に追随した。

国際通貨基金(IMF)がこの日、年次の「対外部門の安定性に関する報告書」を公表し、ドルについて短期のファンダメンタルズに基づき6─12%過大評価されているとの見解を示したことも、ドルへの下押し圧力となった。

また、トランプ大統領が月初に投稿した「米国が中国や欧州による為替操作に対抗すべき」というツイートを巡る懸念もくすぶっているとも指摘された。

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は18日、金利がゼロ近辺のときに低すぎるインフレに早期に対応する追加刺激策が必要で、景気情勢の悪化まで待つことはできないという認識を示した。

中銀会合で講演した。インフレが目標を下回り続ければ、人々の期待がインフレを押し下げ、米連邦準備理事会(FRB)の効力が低下する可能性を指摘した。

「使用可能な刺激策が潤沢にそろう場合には、経済危機の初期兆候が表れれば素早く利下げに動く価値がある」と述べた。
逆境の景気情勢に直面する中で素早く利下げに動き、より長期間金利を低めに維持すれば、「経済には予防接種の効果をもたらし、超低インフレという知らぬ間に進行する病から身を守ることができる」とした。

金利をより長く低めにすれば、良好な金融情勢や刺激策を後押しし、インフレ上昇につながると指摘した。

<米・経済指標>
〇7月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
 0.3 → 21.8↑
〇前週分新規失業保険申請件数
 20.9万件 → 21.6万件↑
〇前週分失業保険継続受給者数
 172.3万人 → 168.6万人↓
〇6月景気先行指標総合指数(前月比)
 0.0% → -0.3%↓

【2019.07.19】FX市場

ドル持ち直し!NY連銀が景気が悪化するまで待つべきではないという認識で

前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の107円後半。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の発言でNY市場ではドル安となっていたが、同連銀が政策に関するものではないとする異例の発表をしたことで、早朝の東京市場ではドルが買い戻された。
買い一巡後にドルは107円半ばで膠着状態となったが、 その後は欧州勢がドル買いで参入し、107円後半に上昇した。

ドルが値上がりした。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が前日に行ったハト派発言について、同連銀は次回会合に関するものでないと説明し、月内の50ベーシスポイント(bp)利下げ観測が後退した。

ドル指数は0.39%高の97.168。前日は2週間ぶりの安値(96.648)を付けていた。

ウィリアムズ総裁は、金利がゼロ近辺にある場合でも低インフレに対応するため早期に刺激策を打つ必要があるとし、景気が悪化するまで待つべきではないという認識を示した。

ドルは下落していたが、ニューヨーク連銀の説明を受けて持ち直した。

ウエスタンユニオン・ビジネス・ソリューションズのコーポレートヘッジングマネジャーは、「ウィリアムズ総裁が自身の発言は学術的な内容で、差し迫った政策変更に関するものでないと市場に認識させ、結果的にドルが控えめながらも持ち直した」と話した。

<米・経済指標>
〇7月ミシガン大学消費者態度指数・速報値
 98.2 → 98.4↑

(ロイターより)
(外為どっとコムより)

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【先週の主な動き】

先週は、FRBが連邦公開市場委員会(FOMC)において、政策金利を引き下げる可能性を指摘する中で、IMFやNY連銀などが年次の報告を行っています。

国際通貨基金(IMF)の報告では、経常黒字がユーロ圏のほかシンガポールなど他の先進国に引き続き集中しており、その一方で米国や英国、新興国では経常赤字が続いていると指摘しています。

米英などの赤字国は成長に配慮したやり方で歳出を抑制すべきだとし、ドイツやオランダ、韓国など大幅な黒字国は公共インフラ投資を増やし、過剰な貯蓄を抑えるべきだと促しています。

また、人民元はおおむね基礎的条件に沿っているが、中国政府の政策見通しが不透明なため、評価に大きな幅が出るとしています。
要は、中国経済が人民元操作により、不透明であるということで、中国経済が今後減速していくのか、わからない状況です。

NY連銀は、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作=YCC)をECBや日銀で実験していることがわかりました。
日銀は2016年9月に、停滞した消費を活性化させるために、長期金利をゼロ%付近まで誘導しています。その結果、小売売上高は過去31カ月間、1カ月だけを除いて前年比上昇しています。
その結果インフレ率は、日銀が目標とする2%には遠く届かず、一部ではYYCによってむしろインフレ目標の達成が遠のいたとの懸念も指摘されています。

さて本日、「参議院選挙」の投票が行われます。
皆さんは、投票に行かれましたでしょうか。

与党が「数の論理」で何でもかんでも、法案を通してしまうやり方には、反対です。
逆をいうと、法案成立するための「チェック機能」が働いていないことになるからです。
もっと自民党は、国会を尊重し、真摯であるべきだと思うのですが。

さて、日足チャートをみると、

先週は、さらに一段の下げとなっています。
この後、反発し上昇に転じていくのか、直近の安値である107円前半を下回っていくのか注目されます。
直近では高値を超えているので、このまま上昇していく感があります。
しかしトランプ米大統領のツイートで、ドル安に誘導する可能性もあるので、注意が必要です。

【来週の主な経済指標発表】

・7/23(火)
22:00 5月住宅価格指数(前月比)
23:00 7月リッチモンド連銀製造業指数
23:00 6月中古住宅販売件数(年率換算件数)
23:00 6月中古住宅販売件数(前月比)
・7/24(水)
20:00 MBA住宅ローン申請指数(前週比)
22:45 7月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
22:45 7月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
22:45 7月総合購買担当者景気指数(PMI、速報値)
23:00 6月新築住宅販売件数(年率換算件数)
23:00 6月新築住宅販売件数(前月比)
・7/25(木)
21:30 6月耐久財受注(前月比)
21:30 6月耐久財受注・輸送用機器除く(前月比)
21:30 前週分新規失業保険申請件数
21:30 前週分失業保険継続受給者数
・7/26(金)
21:30 4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)(前期比年率)
21:30 4-6月期四半期GDP個人消費・速報値(前期比)
21:30 4-6月期四半期コアPCE・速報値(前期比)

【ドル円の平均ボラティリティ(日足)】

07/15~07/19

・・・56pips

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