【2019.04.07】先週04/01~04/05のFX値動き

先週は、新元号の発表がありました。為替にもやや影響をきたしました。
先週は材料が少なく、米・経済指標に注目が集まっています。
先々週末から、米中通商協議の進展期待から相場を下支えしています。
英国ではEU離脱に関し、離脱交渉期限の延長を求めています。

さて先週一週間の動きをみていきましょう。

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【2019.04.01】FX市場

前週に比べドル高!新元号発表に伴うご祝儀相場で上げ幅拡大

前週ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の111円前半。
新元号発表に伴うご祝儀相場で株価が上げ幅を拡大。
中国の経済指標が好調だったことや米長期金 利が上昇したことなども追い風となり、ドルは3月20日以来12日ぶりの高値をつけた。

ニューヨーク外為市場では、ISM製造業統計が持ち直したことを受けてドルが買われ、対ユーロで3週間ぶりの高値を付けた。またポンドも値上がりした。

3月のISM製造業景気指数は55.3と、2016年11月以来の低水準だった前月の54.2から上昇し、市場予想の54.5もわずかに上回った。
生産、新規受注、雇用など全てが上昇した。一方、2月の小売売上高は前月比0.2%減と、市場予想の0.3%増に反してマイナスに転じた。1月の数字は当初発表の0.2%増から0.7%増へ上方改定された。

ドルは小売売上高を受けて一時的に値下がりしたものの、ISM統計発表後に値を戻した。

ユーロ圏の3月消費者物価指数(HICP)速報値は前年比1.4%上昇と、前月(1.5%上昇)から鈍化。
欧州中央銀行(ECB)が注目するコアインフレ(エネルギー、未加工食品を除く)の伸びも前年比1.0%と前月(1.2%)から鈍化した。

<米・経済指標>
〇2月小売売上高(前月比)
 0.2% → -0.2%↓
〇2月小売売上高(除自動車)(前月比)
 0.9% → -0.4%↓
〇3月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
 52.5 → 52.4↓
〇3月ISM製造業景況指数
 54.2 → 55.3↑
〇2月建設支出(前月比)
 1.3% → 1.0%↓
〇1月企業在庫(前月比)
 0.6% → 0.8%↑

【2019.04.02】FX市場

ドル111円前半でもみ合い!株が上げ幅を縮小し、米長期金利が低下したことで

前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の111円前半。
昨日の海外市場でドルが買われた流れを引き継いで、早朝の取引でドルは111円半ば の高値をつけた。
しかし、その後、株が上げ幅を縮小し、米長期金利が低下したことで、ドルは上方向の視界が開けず、111円前半でもみ合いとなった。

ニューヨーク外為市場では、英国のメイ首相が欧州連合(EU)に離脱交渉期限の延長を要請することを明らかにしたことを受け、英ポンドが上昇した。

メイ首相は議会の膠着状態脱却に向け野党・労働党のコービン党首と協議する意向も表明。これを受け、英ポンドは一時0.4%上昇し、1.31ドル台に乗せた。メイ首相の再延期表明前は1.30ドル台で推移していた。

朝方発表された米経済指標では、2月の耐久財受注統計で民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比0.1%減と、市場予想の横ばいを下回った。

TD証券(トロント)の北米外為戦略部門責任者、マーク・マコーミック氏は「ドル相場にとって米経済指標が堅調なのが望ましいのか、軟調なのが望ましいのか、悩ましくなっている」と述べた。

ユーロ/ドルは一時1.1215ドルまで上昇。ただその後は上げ幅を縮小した。

ただ一部のテクニカル指標ではユーロの下落局面は終了しつつある可能性が示されており、1.1185─1.1175ドルを下回らなければ、下値は支持されるとの見方も出ている。

<米・経済指標>
〇2月耐久財受注(前月比)
 0.4% → -1.6%↓
〇2月耐久財受注・輸送用機器除く(前月比)
 -0.1% → 0.1%↑

【2019.04.03】FX市場

ドル上昇!米中が通商合意に達するとの期待から

前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の111円半ば。
底堅い株価動向を受けてドルが買われた。夕刻にかけてもじり高の値動きが続いている。

ニューヨーク外為市場では、米中が通商合意に達するとの期待からリスク選好度が改善し、ユーロが対ドルで上昇した。

米中通商協議を巡っては、英フィナンシャル・タイムズ紙が米中が合意の障害となっていた「ほぼすべての問題」を解決したと報道。米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長も米中通商協議は進展しているとの認識を示した。

欧州の一部経済指標が予想を上回ったことで独10年債利回りがプラス圏を回復したこともユーロの押し上げ要因となり、終盤の取引でユーロ/ドルは0.35%高の1.1241ドル。前日の取引では約3週間ぶりの安値を更新し、2017年6月以来の安値となる1.1174ドルに近づいていた。

この日発表の米経済指標では、米供給管理協会(ISM)が発表した3月の非製造業総合指数(NMI)が56.1と、2017年8月以来の低水準を更新。ドルの押し下げ要因となった。

英ポンドは対ドルで0.15%上昇。
メイ首相が欧州連合(EU)離脱を巡る議会の膠着脱却に向け、野党・労働党のコービン党首と協議したことが好感された。

<米・経済指標>
〇MBA住宅ローン申請指数(前週比)
 8.9% → 18.6%↑
〇3月ADP雇用統計(前月比)
18.3万人 → 12.9万人↓
〇3月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)
54.8 → 55.3↑
〇3月総合購買担当者景気指数(PMI、改定値)
54.3 → 54.6↑
〇3月ISM非製造業景況指数(総合)
59.7 → 56.1↓

【2019.04.04】FX市場

ドル高!米中通商協議の進展への期待と実需の買いフロー

前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の111円前半。
ドルは仲値公示付近で高値をつけた後、軟調な足取りとなった。
市場の関心は再びワシントンに舞台が戻った米中通商協議に向けられており、進展具合がまだ確認できない午後の取引では様子見ムードが広がった。

終盤のニューヨーク外為市場では、ユーロが下落。軟調な独経済指標や、イタリアが今年の成長率目標を引き下げるとのロイター報道を受け、ユーロ圏の成長鈍化に対する懸念が高まった。

ドイツ経済省が4日発表した2月の独鉱工業受注指数は前月比4.2%低下と、2017年1月以来約2年ぶりの大幅なマイナスとなった。

スコシア銀(トロント)の主任FXストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は、独鉱工業受注指数は「鉱工業セクターが昨年後半の大幅な落ち込みからの急回復が見られないことを示唆している」と指摘。
ドイツや韓国、中国など主要輸出国のセンチメントが悪化しているとした。

イタリアが2019年の国内総生産(GDP)伸び率目標を0.3%あるいは0.4%に引き下げ、財政赤字の対GDP比率目標を2.3%前後に引き上げる可能性があると報じた。

トランプ米大統領は4日、中国との通商協議は順調に進捗しているとの認識を示した。
ただ「素晴らしいディール(取引)」でなければ受け入れない姿勢を示した。

トランプ米大統領は4日、連邦準備理事会(FRB)の「不要で破壊的な措置」にもかかわらず、米経済は極めて力強いとの見解を示した。

トランプ大統領はツイッターに「FRBの不要で破壊的な措置にもかかわらず、経済は極めて力強い。
中国(との通商協議)のほか、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)も順調に進展している。インフレはほとんど見られていない。米国の楽観度は極めて高い!」と投稿した。

<米・経済指標>
〇3月チャレンジャー人員削減数(前年比)
 117.2% → 0.4%↓
〇前週分新規失業保険申請件数
 21.1万件 → 20.2万件↓
〇前週分失業保険継続受給者数
 175.6万人 → 171.7万人↓

【2019.04.05】FX市場

ドル前日と同水準!ドルは一時111.80円と 3週間ぶり高値

前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の111円後半。
米中通商協議の進展への期待と実需の買いフローを受け、ドルは一時111.80円と 3週間ぶり高値をつけた。
英ポンドは、欧州連合(EU)大統領が、英国に離脱期限の12カ月の「柔軟な」延期を提案したとの報道を受け強含んだ。

ニューヨーク外為市場では、3月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが予想を上回ったことを受け、ドルが上昇した。

雇用統計では非農業部門の雇用者数が19万6000人増と、前月の17カ月ぶりの弱い伸びから加速し、予想の18万人増も上回った。ただ時間当たり賃金は前月比0.1%増と、伸びは前月の0.4%から鈍化。予想の0.3%も下回った。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)の世界外為戦略部門責任者、ウィン・シン氏は、「非農業部門雇用者数は予想を若干上回り、2月分はやや上方修正されたが、時間当たり賃金は期待外れな結果となった」とし、「強弱が入り混じる内容だった」
と述べた。

雇用統計発表を受けドルは当初は下落し、その後は上向くなどの動きが出たが、相場への影響は総じて軽微だった。午後の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.10%上昇の97.402となっている。

連邦準備理事会(FRB)が3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で年内の利上げはないとの見通しを示して以来、金融政策の行方の手掛かりを得ようと市場は経済指標に注目。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのシン氏は「FRBが年内に利下げに動くとの観測は時期尚早だが、賃金圧力がまったく見られていないことを踏まえると、年内の利上げ観測は否定される」と指摘。
「このため、FRBが様子見姿勢をとり状況を見極めようとする中、再びどっちつかずの状態に入った」と述べた。

トランプ米大統領は雇用統計を受け、FRBは利下げすべきと強調するとともに、経済の下支えに向け非伝統的政策である「量的緩和」の再開が必要になると述べた。

市場は米中通商協議の行方にも注目。トランプ大統領は前日、中国との合意はかなり近づいており、4週間以内に発表する可能性があると述べている。

英ポンドは軟調。英国のメイ首相はこの日、トゥスク欧州連合(EU)大統領宛ての書簡で、離脱期限を6月30日に延期することを申し入れたが、再延長が実現するか疑念が出ている。

<米・経済指標>
〇3月非農業部門雇用者数変化(前月比)
 2.0万人 → 19.6万人↓
〇3月失業率
 3.8% → 3.8%→
〇3月平均時給(前月比)
 0.4% → 0.1%↓
〇3月平均時給(前年同月比)
 3.4% → 3.2%↓
〇2月消費者信用残高(前月比)
 170.5億ドル → 151.9億ドル↓

(ロイターより)
(外為どっとコムより)

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【先週の主な動き】

先週4/1に日本で発表された新元号「令和」は、為替にも影響を与え、ドルが上昇するきっかけとなっています。「ご祝儀相場」ということもあります。

これで注視されるのは、平成元年は日経平均は市場高値を更新した後、竹下内閣で消費税3%を導入。その後、村山内閣で消費税3%→4%に増税、橋本内閣で4%→5%に増税し、デフレへと突入しています。

今年2019年10月に消費税10%に増税が予定されていますが、デフレを加速する懸念もあります。

安倍政権で消費税増税は今回で2回目で、1回目の5%→8%に増税した翌年から、消費が落ち込み経済が思わしくない方向へと突き進んでいます。
その時は、経済的にも安定してしたので、消費が落ち込んでも大丈夫だろうということで、政府は何も手立てを講じることはしませんでした。

2回目の増税では、消費の落ち込みをカバーするために、政府がその分、ポイント還元などで対策することになりました。それもいつまで続くかわかりません。

この「平成」→「令和」に移り変わる、翌年以降から注意しなければいけないと思われます。

さて、先週は目新しい材料もなく、米・経済指標が主な材料として注目されています。
3月の「ISM製造業景況指数」では、54.2 → 55.3と持ち直したことで、ドルが上昇しています。
しかし、米長期金利が低下し、視界が開けない状況が続いています。

英国のメイ首相はEUの離脱交渉期限の延長を要請することを明らかにし、奔走している状況です。メイ首相には、頑張って頂きたいと思うのですが、議会の承認を得るには難しそうです。

EU圏で注目しているのはイタリアで、今年の成長率目標を引き下げると発表しています。
それが起因してか、イタリアは中国の広域経済圏構想「一帯一路」に協力する覚書を交わしています。主要7カ国(G7)のメンバーが一帯一路に加わるのは初めて。
イタリアが、中国に資金援助を求めているのは事実で、イタリアも英国と同様に、EUから離脱しかねないという不安材料となっています。

中国がイタリアに資金援助をしていますが、今後中国に資金を返済できなければ、イタリア本土の一部が中国の領土になりかねない事態となってしまいます。

さて、日足チャートをみると、

先週は引き続きドルが上昇し、日足の200日移動平均線を超えて推移しています。
3/15以来の高値となっています。

今年は、緩やかに上昇しているので、ドル高なのかと一瞬戸惑うこともあります。
ドル高なのか一瞬戸惑うのは、ボラティリティの低さではないでしょうか。
下落するときのボラティリティの高さと、上昇時のボラティリティの低さで、戸惑う人は多いと思われます。

長期的には緩やかに上向きとなっていますが、短期的には下降している状況なので、上昇しているイメージも少ないと思います。

【来週の主な経済指標発表】

・4/8(月)
23:00 2月製造業新規受注(前月比)
・4/10(水)
21:30 3月消費者物価指数(CPI)(前月比)
21:30 3月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
21:30 3月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比)
21:30 3月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比)
27:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
27:00 3月月次財政収支
・4/11(木)
21:30 3月卸売物価指数(PPI)(前月比)
21:30 3月卸売物価指数(PPI)(前年同月比)
21:30 3月卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)(前月比)
21:30 3月卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)(前年同月比)
21:30 前週分新規失業保険申請件数
21:30 前週分失業保険継続受給者数
・4/12(金)
21:30 3月輸入物価指数(前月比)
21:30 3月輸出物価指数(前月比)
23:00 4月ミシガン大学消費者態度指数・速報値

【ドル円の平均ボラティリティ(日足)】

04/01~04/05

・・・37pips

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